宇野昌磨 “自己ベスト”更新して2位
「フィギュアスケート・全日本選手権・第1日」(25日、札幌市真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)
来年3月の世界選手権(米国・ボストン)などの最終選考会を兼ねて開幕し、男子ショートプログラム(SP)などが行われた。4連覇がかかる羽生結弦(ANA)は、冒頭の4回転サルコーで転倒したが、102・63点でSP首位に立った。
今季シニアデビューを果たし、GPファイナルで3位に入った宇野昌磨(中京大中京)は97・94点を出し、国際スケート連盟(ISU)非公認大会ながら“自己ベスト”を更新した。冒頭のトリプルアクセルから「練習でも一番の課題だった」という4回転トーループも成功。大きなハードルを一つクリアし、全ジャンプを成功させた。
際だったのは、持ち前の表現力だ。憧れの高橋大輔を思わせる情熱的かつ精度の高いステップで、5項目の演技構成点では10点満点で9点台が相次いだ。観客からはスタンディングオベーションを受けたが、宇野自身は「今日の演技じゃ満足していない。ステップももっとできます。もっとキレがある」と貪欲に語った。
「今季初めはSPが苦手だったが、今ではそう感じない」と試合を重ねるごとに進化を続けている。今季世界選手権の男子出場枠は2。羽生は事実上の当確で残り1枠を狙うが、総合2位以内なら代表入りは確実だ。
「去年は世界ジュニア選手権で周りの期待もあって背負うものがあったけど、今年はそういう緊張はない。上の方ばかりなので」と無邪気な笑顔を咲かせる。「結果を残さなければ、ここから後半戦に出られる機会が少なくなりますから」。今はただ氷の上にいるのが楽しい。そんな18歳が、大舞台の切符をグッと引き寄せた。
