シンクロ男子に“珍指令”「男らしく」
シンクロナイズドスイミング混合デュエット代表の安部篤史(32)=トゥリトネス=が28日、都内で練習を公開し、世界選手権(7月開幕、ロシア・カザン)に向けてより“男らしく”進化していくことを明かした。
この日は髪を短く切った姿で、課題だったテクニカルルーティンのエレメンツを中心に練習した。フリールーティンのテーマであるドラキュラに合わせて髪を伸ばしていたが、花牟礼コーチは「不評だったのでやめました」と、苦笑いしながら路線変更を明かした。
5月のジャパンオープンで男子として初めて演技を披露し、反響は上々。ただ上半身まで一体の衣装やメークについては「女子っぽく見える」という意見も寄せられた。ほぼ人生初のメークだったという安部は「無知なので、客観的には見られなかった」。試行錯誤を重ねながら、6月のスペインオープンには新衣装で臨む予定だ。
ペアを組む足立夢実は「リフトでは女子同士のペアにはない高さがある。1メートルくらい違う」と手応え。ただスタミナ不足を露呈する安部には「男女ペアである以上、男性には男らしさは求めたい」。練習以外では重たい荷物を持ってくれる男らしさもあるというパートナーに、演技上での“リード”も要求した。
いよいよ大一番まで2カ月を切った。さまざまな課題や要求があるものの、「もともと混合デュエットは試行錯誤。まだ正解はわからないけど、男性らしさとは何かを考えていきたい」と安部。男子シンクロのパイオニアとして、後進のためにも、模索しながら世界に挑む。