ストーブリーグの勝者は?セ・リーグ編

 2016年がスタートした。今年のプロ野球は、どんなペナントレースが展開されるのか。今オフの支配下登録選手の変化をまとめた。

 セ・リーグは昨季、突出した力を持つチームがなく、空前の大混戦。ヤクルトが14年ぶりの優勝を果たした。

 今オフは大型補強したチームは見当たらず、ヤクルト、阪神はストッパーの退団が決まり、広島はエースがチームを去ることが確実。穴をどう埋めるかに腐心している。

 【ヤクルト】昨季は2年連続最下位からリーグ優勝を果たした。

 打線はトリプルスリーを達成した山田、打点王の畠山、首位打者の川端がけん引。バレンティンが故障のためほぼシーズンを棒に振ったにもかかわらず、チーム打率・257はリーグトップで、107本塁打は同2位だった。

 今オフ、ミレッジが退団したが、昨季24試合の出場にとどまっており、影響は大きくはないだろう。前オリックスの坂口、前日本ハムの鵜久森を獲得。バレンティンが復活すれば、打線はさらに厚みを増す。

 一方の投手陣は、守護神バーネットの退団が大きい。今季59試合に登板し41セーブ、防御率1・29と、優勝の立役者の一人。この穴をどう埋めるかが、最大の懸案だ。

 今オフには前ヤンキースのデイビーズ、前ブルージェイズのペレス、前メキシカンリーグのルーキの3投手を獲得。メジャー通算43勝のデイビーは先発候補で、ペレス、ルーキはリリーフとして期待される。守護神は今季セットアッパーを務めたオンドルセクらも候補となりそうだ。

 【巨人】昨季はリーグ4連覇を逃し、原監督が辞任。高橋監督が就任した。今季V逸の原因ともなった打線の立て直しが急務だ。

 代打の切り札・高橋といぶし銀のベテラン・井端がともに現役を引退し、監督、コーチに就任した。出場機会は限られていたとはいえ、相手に与える威圧感は絶大だった。

 補強したのは、西武からFA宣言した内野手の脇谷と、前ロッテの内野手クルーズ、前ヤンキースの外野手ジョーンズ。クルーズは昨季打率・255、16本塁打、73打点をマークし、二塁守備にも定評がある。ジョーンズはメジャー通算122本塁打の4番候補。はまれば貧打解消の切り札になりうる。

 投手の陣容は、ほぼ変わらない。マイコラス、ポレダ、マシソンも残留した。

 ただ外国人には4人の枠があり、野手も含め、高橋監督がどう起用するかもポイントになる。

 【阪神】昨季は、ここ数年と同様にシーズン終盤に失速し、3位に終わった。和田監督が退任し、金本新監督が就任。チームは生まれ変わろうとしている。

 課題はヤクルトと同様、ストッパーだ。2年連続リーグ最多セーブの呉昇桓が賭博問題で退団。さらに2014年首位打者のマートンもチームを去った。

 今オフの補強は、投手が手厚い。かつてストッパーとして君臨した藤川が復帰。役割は決まっていないが、抑え候補の一人だ。さらに中日からFA宣言したリリーフ左腕・高橋の獲得にも成功した。

 外国人はパドレスの右腕マテオと基本合意しており、さらにタイガース傘下3Aのドリスの獲得調査も進めている。ともに155キロを超える直球を持っており、守護神候補だ。

 野手では前ブルージェイズの内野手ヘイグを獲得。昨年は3Aで打率・338をマークしており、マートンに代わる安打製造機となるか。三塁を争うことになる見込みだ。

 マートンが抜けた外野は、若手が争うことになりそうだ。ドラフト1位で獲得した高山(明大)も、アピール次第ではレギュラー候補に躍り出るかもしれない。

 【広島】優勝候補に挙げられた昨季は、打線の不振が響いて4位に沈んだ。このオフは前中日の内野手ルナ、前アスレチックス傘下3Aの外野手プライディを獲得。ルナは中日でプレーした3シーズンで通算打率・316をマークしており、戦力になるだろう。

 問題は先発投手。エース・前田のポスティングシステムによるメジャー移籍を容認し、退団は確実。今季29試合、206回1/3を投げ、15勝8敗、防御率2・09。最多勝、沢村賞を獲得した球界を代表する投手が抜けるのは、12球団でも最大の戦力ダウンと言っていい。

 現役続行した黒田、来日2年目のジョンソンらに加え、大瀬良を先発に戻してローテを組むことになる。ドラフト1位で獲得した右腕・岡田(大商大)にも即戦力の期待がかかる。

 投手の補強は、前パドレスのジャクソン、前レイズ傘下3Aのへーゲンズの2人。ともに150キロ超の直球を持ち、ジャクソンはリリーフ、ヘーゲンズは先発、中継ぎをこなす。

 【中日】3年連続Bクラスとなる5位に終わり、谷繁、和田、小笠原、山本昌が現役を引退し、川上も退団。さらに高橋聡がFA宣言して阪神に移籍。ルナとの契約も更新しなかった。大きな転換期を迎えた。上位に浮上するには、若手選手の成長が必要不可欠だ。

 補強は外国人が中心。ルナが抜けた野手は、前ホワイトソックス傘下3Aの外野手ビシエドを獲得。キューバ出身で、メジャー通算66本塁打を記録。一塁で起用すると見られる。投手はドミニカ共和国出身の右腕ハイメ、左腕ノルベルトを獲った。ソフトバンクからトレードで大場も獲得した。

 【DeNA】昨季は首位で後半戦に突入したが、終わってみれば3シーズンぶりの最下位。中畑監督が辞任し、ラミレス新監督が誕生した。

 今オフにチームを離れたのは、三塁を守ったバルディリス。15年は139試合に出場し打率・258、13本塁打。守備、走塁面の評価が低かった。

 新たにチームに加わったのは、前巨人の投手・久保裕、前ソフトバンクの内野手・白根。さらに新外国人選手として、マイナー通算200本塁打を放った前ダイヤモンドバックス傘下3Aの内野手ロマックと、先発型の最速152キロ右腕、前カージナルス傘下3Aのペトリックを獲得した。

 若手が多いチームで、筒香ら伸び盛りの選手もいる。ラミレス監督がどんなチームにしていくか、注目だ。(デイリースポーツ・足立行康)

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