ロッテ イ・デウンが満塁で痛恨被弾

 「ソフトバンク7-4ロッテ」(25日、ヤフオク)

 痛恨被弾に、ロッテのイ・デウンはうなだれた。

 1点リードの六回。4番・内川、5番・李大浩を難なく打ち取り、簡単に2死まで漕ぎ着けたが、ここから3連続四球。迎えた9番・上林にプロ初本塁打となる逆転グランドスラムを献上した。同回表にはクルーズの3ランで2点差を逆転し、チームは最高潮のムードを迎えていただけに、その直後の“背信投球”は、チームにとっても重たく響いた。

 悔やんでも悔やみきれなかった。「思うようにコントロールできなかった」。150キロ超の速球が魅力の韓流右腕は、これまで9勝を挙げているが、四球での自滅が最大の課題だった。肝心のヤマ場でそれが露呈され、逆転満塁弾という最悪の結果を招いてしまった。

 韓国人投手として日本プロ野球で初となる2桁勝利に王手を掛けているが、これで3度の足踏み。自らの快挙も、そして期待を背負ったチームの勝利も、あのイニングで逃げてしまった。

 伊東監督は、「結局、独り相撲になってしまった」と唇をかんだ。継投の選択肢については「左(投手)で行っても、(代打で)右(打者)が出てくるだろうし、(左腕の)松永の状態と相手打者の状態を考えたけど、そのまま(イ・デウンで)行った方がいいと思った」と説明した。

 CS圏内争いは佳境を迎えている。指揮官は「上位のチームにスキを見せたらこうなる。勝てない野球をやっているのは事実」とため息をつきながら、「振り返ってもしょうがない」と自らに言い聞かせるように、会見を締めくくった。

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