大阪桐蔭・田中 10失点で二回途中降板

 「選抜高校野球・準決勝、敦賀気比11-0大阪桐蔭」(31日、甲子園)

 まさかの光景だった。序盤で2桁失点の大阪桐蔭のエース田中誠也投手(3年)がマウンド上でうなだれた。二回2死、背番号「17」の6番・松本に大会史上初となる2打席連続グランドスラムを被弾。浜風に乗って左翼スタンドに吸い込まれていく打球をぼう然と見送った。

 敦賀気比とは昨夏の甲子園準決勝でも対戦。大阪桐蔭が打撃戦の末に15-9で下し、一気に頂点まで駆け上がった。試合前の田中は「相手は本気で倒しにくるので気持ちで負けないようにしたい」と心の準備は万全だった。

 しかし、立ち上がりから自分のペースをつかめなかった。四球で出した4人の走者はいずれも失点につながった。相手打線の勢いを止められず、打者15人66球で降板。スコアボードにはチームにとって、06年夏(●2-11早実)以来となる屈辱の2桁失点を示す「10」が刻まれていた。今大会初めて後輩の高山にマウンドを譲った田中は一塁ベンチで肩を震わせていた。

 大阪桐蔭が誇る強力打線の援護もなかった。初出場の91年春以来、甲子園では2度目の零封負けで史上5校目の夏春連覇への挑戦は終わった。試合後、身長170センチの左腕は「自分が試合を壊してしまった。夏は勝てる投手になって帰ってきたい」と涙で雪辱を誓っていた。

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