甲子園歴史館台湾特需「KANO」効果

 甲子園歴史館の第6回理事会・定例報告会が15日、大阪市内のホテルで行われ、開業6年目を迎える同歴史館に“台湾特需”が起こっていることが明らかになった。

 発端となったのは昨年、台湾で公開された映画「KANO 1931海の向こうの甲子園」。戦前の昭和6年(1931年)、日本統治下の台湾・嘉義農林学校が夏の甲子園に出場し、決勝まで勝ち進んだ。その史実を題材に制作された映画が大ヒット。球場関係者は「台湾から訪れる方が非常に多くなりました」と明かす。

 歴史館が集計したデータでは、本年度、台湾からの来訪者はすでに1万人を超えているという。ツアーで甲子園を訪れた全115団体の内、実に113団体が台湾からの旅行者。歴史館側も本年度の来場者見込みを8万5000人前後に設定していたが、開業年の2010年度以来となる10万人突破が確実だ。

 歴史館では現在、「KANO」の特別展示を行っている。決勝まで勝ち抜いた際のユニホームや、実際に使用したボール、バットなど貴重な資料を展示。昨年11月には歴史館のスタッフが台湾へ出向き、旅行会社へのプレゼンテーションも行ったという。

 日本では1月24日に公開予定となっており、17日公開予定の「アゲイン 28年目の甲子園」と合わせ、いずれかの映画入場券の半券を持参すれば、100円引きで歴史館に入場できるイベントを実施。戦前、甲子園に台湾の学校が出場していた事実はあまり知られていない。

 だからこそ「日本人の方にも興味を持っていただければ。この映画を見られた方が興味を持って甲子園に足を運んでいただければ」と球場関係者は語る。今年は高校野球が始まって100年を迎える節目の年。3月に開幕するセンバツでも、台湾からの来訪者が多くなりそうだ。

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