ダル完全試合へあと1人…初勝利も無念

 「アストロズ0‐7レンジャース」(2日、ヒューストン)

 レンジャーズのダルビッシュ有投手(26)はヒューストンでのアストロズ戦に先発し、8回2/3を1安打無失点で今季初登板を白星で飾った。試合は7‐0で勝った。ダルビッシュは八回までにメジャー自己最多の14三振を奪った。九回2死まで一人の走者も許さなかったが、27人目の打者に中前打を許して完全試合達成は逃した。

 九回2死。スタンディングオベーションの中だった。27人目の打者は9番・ゴンザレス。ダルビッシュが投じた初球だった。111球目、高めに甘く入ったカットボールをはじき返されると、打球は無情にもダルビッシュの股間を抜け中前へと達した。思わず両手を上げた背番号11。大記録達成をその目で見ようとしたファンは一斉に頭を抱え、マウンド上の主役は苦笑いを浮かべた。

 異様な雰囲気の中、歩み寄ったワシントン監督からねぎらうように胸をたたかれ交代となった。

 日本人投手初の快挙となる完全試合はならなかった。それでも、今季初登板は完ぺきといってもいい内容だった。初回から150キロを超えるストレートにスライダー、カットボール、ツーシームなど多彩な変化でアストロズ打線をほんろうした。変化球で空振りを取り、食らいついてくる打者には、最速156キロの剛球でバットをへし折ってみせた。三振のたびに地鳴りのような「ユー!」の声が球場に響き、マウンドでは王者を思わせる風格を漂わせた。

 中盤を過ぎるとアウトごとにどよめきが起こる。七回にウォーレスからメジャー自己最多となる12個目の三振を奪う。九回は内野ゴロ2つの後、安打を許したために毎回三振はならなかったが、14奪三振。何よりチームに今季初勝利をもたらした快投に価値がある。

 「あそこまでいったらアウトを取りたいですよね。まだ完全試合を達成している投手に一歩足りない。でも、いい思い出になった。僕よりも周りのチームメートがすごく悲しそうというか。僕は達成しても3、5勝になるわけじゃないし、何も思っていない」と大記録へのこだわりはないと口にした。

 しかし試合後、自身のツイッターでは「あと1人て…なんでやねん!!」とつぶやき、本音を吐露した。

 メジャー2年目のスタートはあまりにも鮮烈。昨季16勝を上回る活躍を期待させるに十分だった。

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