空洞や余白から、事象の本質を体感、大阪で展覧会
『岡本太郎現代芸術賞展』太郎賞などの受賞歴があり、国内外で活躍する彫刻家・大西康明が、「アートコートギャラリー」(大阪市北区)で1月14日から個展を開催します。
大西の作品といえば、空気の出し入れにより伸縮するポリエチレンシートのバルーンや、山の輪郭のような形態のポリエチレンシートと飴を思わせる無数の黒い糸を組み合わせた作品などが思い浮かびます。それらは彫刻特有の立体感、塊感よりも、空洞や余白を強調した表現と言えるでしょう。
つまり、ネガの空間を出現させることで、体積、重さ、重力、光の諧調、時間といった我々の周囲に遍在するものを意識させることが大西のテーマなのです。本展では、収縮を繰り返す複数のバルーンからなる新作「空間の縁」を中心に、パネルに接着剤を塗りこめた後、圧着、再加熱、引っ掻きなどを繰り返す「Plate of traces」、立方体の中の空洞を彫刻して、多視点から鑑賞できる「体積の内側」を展示します。我々の認識の裏を突くような、意外性に満ちた世界を楽しんでください。
文/小吹隆文(美術ライター)
(Lmaga.jp)
