【競輪】石井貴子がバンクに戻って来た
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石井貴子(28)=東京・104期・A2=が7カ月ぶりにバンクへと戻ってきた。2015年7月12日、高知のミッドナイト競輪2日目に落車し、右膝半月板、前十字靱帯(じんたい)、後十字靱帯(じんたい)を損傷する大けがに見舞われていた。
復帰戦となった2月8日からの和歌山F1は6、1、6着。18日からの取手F2は3、4、4着と2場所連続で決勝に進出している。いきなり結果を出しているように見えるが、まだまだ本人は満足していない。
「落車してから2場所走ったが、まだレース中に怖さがあります。ヨコに他の選手がいなければ大丈夫だけど、競走なのでそういう展開ばかりではない。今は1走でも多く走って怖さを解消していくしかない」
悔しそうにレースを振り返るが、7カ月前の事故発生時は大変な状況だった。聞いている記者が震える凄惨(せいさん)さだった。
「落車をしたときは意識があった。すぐに膝がないなって感じ。バンクには血がたまっていた。足が上がらなくて、周りの人に医務室へ運んでもらい、その日のうちに病院へ入院し、縫ってもらった。高知の病院では同期の(山原)さくらちゃんにいろいろ食べ物やDVDを持ってきてもらい、本当によくしてもらいました。東京に帰ってきてから半月板の手術をして、静岡の病院で復帰に向けてリハビリを開始。年内には復帰するつもりだったけど、思ったより時間がかかってしまった」
苦しい話なのに悲観した様子はなく、明るく振り返ってくれた。入院生活中はファンから届くメッセージが復帰への支えとなったと教えてくれた。
毎年、ガールズケイリンに新人選手が入ってくるが、その陰で成績下位数人の登録消除を行う登録審査制度(代謝制度)の存在もある。
石井自身も入院中は代謝制度のことがよぎったが、「けがをしたことは仕方ない。今まで以上にレベルアップしてレースに戻る」と強い意志を持って、復帰へとたどり着いた。
今後の目標は「けがをしたおかげで、体幹トレーニングをするようになり、自転車にドッシリ乗れるようになった。石井貴子らしい魅せるレースをしたい。もちろん勝ちを意識した上だけど、しっかり仕掛けるレースをしたい」とやる気満々。
2014年3月の小倉以来となる、2回目の優勝へ意欲をみなぎらせた。優勝したそのときが石井貴子の完全復活だろう。(関東競輪担当・松本直)
