【香港C】ヒカリ無念の10着ラストラン飾れず「今回は三振だった」
「香港カップ・香港G1」(11日、シャティン)
見せ場は存分につくった。好枠を生かしてハナを奪ったエイシンヒカリは、向正面からペースを徐々に上げ、4角では後続に10馬身差をつける大逃げを打った。どよめきに似た歓声が場内から上がり、直線は連覇へとまい進したが、ラスト150メートル地点でモーリスにつかまると急失速。最後は10着に力尽きた。
「前回、タメ逃げして良さが出なかったから、思い切ってペースを上げる競馬を。彼らしいレースはできたと思う。三振か特大ホームランという馬。今回は三振だったけど、よく頑張ってくれました」。ラストランを終えた相棒に、武豊はねぎらいの言葉を贈った。
レース前にはアクシデントも。装鞍時に暴れ、パドックで放馬してしまったのだ。坂口師は「すぐ捕まったから、影響はなかったと思う」と苦笑い。最後まで我の強さを失うことはなかった。個性派を貫き通した超特急ヒカリは、来年からレックススタッドでの種牡馬入りが決まっている。いつか父のように、ファンから愛される2世が誕生するに違いない。