「阪急杯・Ｇ３」（２８日、阪神）

　ついにカードを切る。レッツゴードンキが、マイルを下回る距離に参戦してきた。

　振り返ること１年半前、アルテミスＳ２着で賞金を加算し、阪神ＪＦへ向けて調整する１４年の１１月だった。梅田師は将来への展望をこう語っていた。「気性が激しくて、短いところを使ったら１２００メートルの馬になってしまう。クラシックシーズンまで見て、だからこそデビューは札幌１８００メートルから使った」。

　３歳馬にとって、Ｇ１の頂を見るなら短くともマイルしか路線はない。だから早いうちに短距離馬にしてはいけない。そうした考えが実ったのが桜花賞制覇だった。

　４歳となった今、選べる路線は広がった。スプリントというカテゴリーでも頂点を目指せる。「高松宮記念に行きたいからね。今度は距離に関して小細工をしなくていい。持ってるスピードはピカイチだからね」。キャリアだけ見れば初距離への挑戦だが、本質的には初めて最適距離へ足を踏み入れる格好だ。

　１月中旬に入厩し、直近は岩田が前運動から乗って人馬のコンタクトを強めるべく乗り込んでいる。「馬とけんかせずに乗ってほしい。その点、岩田が密に乗ってくれている。うまくいけば」とトレーナー。桜の女王に輝いた思い出の仁川の地から、新境地を開く。