【JC】最強の2勝馬サウンズ頂点取る

 「ジャパンC・G1」(29日、東京)

 “最強の2勝馬”サウンズオブアースがG1初制覇を狙う。これまでタイトルには縁がないものの、昨年の菊花賞を含めて重賞で2着4回と能力の高さは折り紙付きだ。2勝馬の挑戦は06年トーセンシャナオー(9着)以来9年ぶり。同年の京都大賞典2着馬によるVなら、04年ゼンノロブロイ以来3頭目となる。先週、自身&外国人騎手初のJRA年間100勝を達成して勢いに乗るM・デムーロの手綱で、一気に世界制覇を目指す構えだ。

 もう“銀メダル”はいらない。サウンズオブアースはこれまで、昨年の京都新聞杯、神戸新聞杯、菊花賞に、今秋初戦の京都大賞典で2着。いまだに2勝馬で重賞は未勝利だ。それでも前走は、次戦で天皇賞・秋を制したラブリーデイから0秒2差。仲田助手は「もちろん向こうも良くなっていると思いますが、ウチの馬も1回使って良くなっていますからね」と、状態面の上積みで逆転を狙う。

 その言葉を証明するように中間は活気十分だ。18日の1週前追い切りはM・デムーロが騎乗し、栗東CWでアンバーグリスキー(3歳500万下)と併せ馬。シャープな脚さばきで6F84秒0-38秒8-12秒4を計時し、馬なりで2馬身突き放した。鞍上は「以前に乗った時よりも良くなっている。トモが弱く手前も(スムーズに)変わらなかった馬が、今はスッと変わるから」と成長を実感する。

 先週、自身&外国人騎手として初のJRA年間100勝を挙げた同騎手にとっても、ジャパンCは特別な一戦だ。08年に9番人気のスクリーンヒーローで制覇。ディープスカイにウオッカ、メイショウサムソンの3世代ダービー馬など強豪を撃破し「馬が柔らかくて元気で自信はあったけど、あれはミラクル」と振り返る。「世界が見ている国際レース。雰囲気がすごい。勝ちたいね」と自身2勝目に意欲を燃やす。

 今回が35回目となるジャパンCで、2勝以下馬が勝った例はない。“最強の2勝馬”が新たな歴史の扉を開く。

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