【秋華賞】春も秋もクイーン牝馬2冠

 「秋華賞・G1」(18日、京都)

 1番人気のミッキークイーンが直線で抜け出してV。オークスに続く牝馬2冠を達成した。鞍上の浜中は昨年のショウナンパンドラに続くレース連覇。勝ち時計の1分56秒9は、1年前の記録を0秒1更新するレースレコードで、ディープインパクト産駒は史上最速でのJRA重賞通算100勝到達となった。2着は5番人気のクイーンズリング、3着は8番人気のマキシマムドパリ。桜花賞馬のレッツゴードンキは17着に大敗した。

 4コーナーを回ってからの最後の攻防。樫の女王ミッキークイーンは馬群を割るようにして前へ。直線半ばからはもう1段上のギアが入った。クイーンズリングの追撃をしのいでゴールに飛び込み、2冠を達成した。

 「本当にほっとしました。オークス馬なので2冠がかかっていた。馬がとにかく強かった」。レース直後の浜中はやや興奮気味。それほど、馬群を突き抜ける手応えが素晴らしかったのだろう。

 大外枠からの発進。意識的に出してポジションを取りに行った。「中団より前でないと勝てないだろう、とジョッキーとも話していて、そういうオーダーを出した。あまりにラップが速過ぎたので、あだにならないかと心配になったが…」と池江師。そこで生きたのがこの馬最大のセールスポイントである折り合いだった。

 「特に精神的なところが素晴らしい。道中、こんなに安心して乗れるのは他の馬にないところ。デビュー以来、初めてくらいの出し方で行ったけれど、全く掛からず、収まるところに収まってくれた」と浜中。1000メートル通過57秒4のハイペースでもしっかり脚をためて、ラストスパートにつなげた。

 桜花賞では3頭による抽選でただ1頭、除外の憂き目に遭った。トレーナーは「桜花賞の除外が返す返すも残念」と言う。この強さなら桜花賞も勝っていたかもしれないと思うのは当然だ。

 もちろんタラレバにすぎないが“幻の牝馬3冠馬”と呼ばれるに足る地力はこれから示していけばいい。「今後は馬の様子を見てから」と指揮官。エリザベス女王杯(11月15日・京都)に向かうにしろ牡馬混合の路線を歩むにしろ、ここからがその強さを示す舞台だ。

 「古馬や牡馬との対戦?今後、それが必然的な形と思う。期待しています」と主戦は力を込める。その声にはパートナーへの期待がいっぱい詰まっていた。

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