【有馬記念】ジェンティル 強運4番
「有馬記念・G1」(28日、中山)
サンタが最強牝馬に最高のプレゼントを届けた。JRA史上初となる“枠順ドラフト”が25日に行われ、枠順が確定。1巡目の選択権を得たジェンティルドンナの石坂師は即決で2枠4番を選択した。外枠に入った他の有力馬とは対照的に希望通りの枠をゲット。6冠牝馬は、父ディープインパクトが06年に同レースで有終Vを飾った時と同じ馬番から、ラストランに挑む。なお、馬券は26日に一部ウインズで前々日発売される。
理想の枠で花道を飾りたい-陣営の願いが見事に通じた。JRA史上初となった運命の“枠順ドラフト”。公開抽選で大リーグ・ヤンキースの田中将大投手が左手で最初に引き当てた馬名はジェンティルドンナだった。オーッという歓声が会場を包む中、にこやかな表情で壇上に上がった石坂師。「2枠4番です」。力を込めて希望枠を即答した。
中継で結ばれた栗東トレセンの会場。ジェンティル陣営の3人はテレビモニターに最も近い最前列を陣取った。「マー君が(最初に)引いてくれると期待していたし、出る予感がしていた。(馬名の書いた巻物の)“ジェ”の部分が見えて、アッと思ったよ。言うことなしです」とトレーナーは声を弾ませた。
4番に決めたのには、もちろん理由がある。「コース形態もそうだし、馬場もいいから、短い距離を走る方が有利。2番も考えたけど、閉じ込められるのは嫌だったので、程良い4番を。気性難があるわけでもないし、一番いい枠でしょう」。6つのコーナーを回るトリッキーな舞台だけに、ロスなく立ち回れることを歓迎した。
「田中投手ありがとうございました」。テレビカメラ越しに感謝を述べたのは、美浦トレセンで動向を見守った戸崎圭だ。馬名が呼ばれた瞬間には思わずガッツポーズ。ジェンティルの追い切りで栗東に駆け付けた1週前に行った、調教師とジョッキーによるすり合わせで話していた希望通りの枠だけに笑顔があふれる。「内がいいと話をしていて、その通りの枠。外枠ならいろんなパターンを考えないといけなかったけど、迷いなく、いいラストランのイメージで臨める。最高のパフォーマンスを見せたい」。初コンビの天皇賞・秋で2着に敗れた悔しさを、ラストランで晴らすことを宣言した。
グレード制導入後の84年以降の有馬記念で、4番はトップタイの4勝。そして、父ディープインパクトは06年に同じ4番から有終の美を飾った。G16勝の最強牝馬に届いた最高のクリスマスプレゼント。感動のフィナーレへ-名牝伝説の完結に向けて準備は整った。





