【有馬記念】ジャスタ絶品の動き披露

 「有馬記念・G1」(28日、中山)

 中央競馬の一年を締めくくるグランプリを最後に現役引退が決まっているジャスタウェイが17日、栗東坂路の1週前追い切りでファン投票1位の僚馬ゴールドシップに先着と絶好の動きを披露した。前走のジャパンCは2着に敗れたが、ワールドベストホースランキングでは堂々の8期連続世界一を死守。ラストランを鮮やかに締めくくり、混迷ムードが漂う年度代表馬争いも制してみせる。

 寒風を吹き飛ばすがごとく、世界の豪脚がうなりを上げた。ジャスタウェイが栗東坂路で絶品の動きを披露。「またがった瞬間、馬の張りが以前とは違うと思った」と福永は思わず声を弾ませた。

 トレセン内の時計塔に表示された気温は0度。前日の雨を含んだウッドチップはパリパリに凍っていたが、フットワークが乱れることはなかった。ゴールドシップを2馬身ほど後ろに従える形でスタート。ラストで気合をつけられた相手との差を、余力十分の手応えで最後まで詰めさせない。1馬身半のリードを保ったままさっそうとフィニッシュした。

 タイムは4F52秒8-38秒7-13秒4。前走(ジャパンC2着)後、初めてコンタクトを取った主戦は「前回(の最終追い切り)も今回も馬場は悪かったが、けさは動きが全然違う。この前は良くなっている途中だったから。今回は戻っている」と上昇度を口にする。須貝師も「叩いた分、良くなっているね」と合格点を与えた。

 さらなる名誉を求めての参戦だ。凱旋門賞で8着に敗れ、帰国初戦となったジャパンCは2着。3月のドバイデューティフリーを圧勝したあと、ワールドベストホースランキングでは8期連続で世界No.1を守り抜いたが、陣営には満たされぬ思いがあったのだろう。ジャパンCを最後にターフを去るプランもありながら、あえて先延ばしをして年末決戦に挑む理由はほかでもない。今年は安田記念も制しており、勝てば年度代表馬に選出される可能性が高いからだ。

 「オーナーはそういう意識だろうし、ニーズに応えていくのが僕らの仕事。納得のいくように仕上げたい」と指揮官は腕をぶす。これまで、お手馬が年度代表馬になったことがないという福永も「チャンスだね。獲れる時に獲っておきたい」と意気揚々だ。引退後は父のハーツクライと同じ、社台スタリオンステーション(北海道安平町)で種牡馬としてけい養されることが明らかになった。結果次第では初年度の種付け料も跳ね上がるに違いない。世界一の看板に恥じない走りで、近年まれに見る超豪華メンバーを蹴散らしてみせる。

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