【皐月賞】2歳王者ロゴがレコードV

 「皐月賞・G1」(14日、中山)

 2歳王者が横綱相撲で圧倒した。1番人気のロゴタイプが1分58秒0のコースレコードVで3歳牡馬1冠目を奪取。M・デムーロは03、04年に続き史上最多タイのレース3勝目を飾った。2冠がかかるダービーでは、桜花賞をアユサンで制した弟のC・デムーロが騎乗する可能性が高い。開業4年目の田中剛師はクラシック初Vとなった。2番人気のエピファネイアは半馬身差の2着に敗れ、母子クラシック制覇はならず。3着には3番人気のコディーノが入り平穏な決着となった。

 強い、強い‐。2歳王者ロゴタイプが圧巻のレコードVで、牡馬クラシック1冠目を獲得した。

 1角過ぎでコディーノと接触して内に閉じ込められたが「集中して走っていたので問題はなかったよ」とM・デムーロは慌てなかった。3、4角でも内々で窮屈になったが「他馬がバテたのでうまく外へ出せた」と冷静に展開する。直線は「オーナー、トレーナーから“馬場のいい真ん中を”との指示だったので予定通りだね」とサラリだ。急坂を力強く先頭で駆け上がり、ライバルの追撃を完封。左手で肩口を2度ポン、ポンとたたいて相棒を祝福した。

 前週の桜花賞では、弟クリスチャンとのたたき合いに首差屈した。悔しさを胸にしまいながら、自分のことのように喜んだ兄。兄弟による2週連続でのG1制覇は、84年のグレード制導入以降、史上初の快挙となった。「チョーうれしいです」と、すっかり慣れた日本語で笑顔を全開させた。

 「クレバーでどこがゴールかを分かっている。素晴らしい馬」。これでコンビ3戦3勝。厚い信頼関係でつかんだ、昨年の朝日杯FSに続く2つ目のビッグタイトルだ。また、デムーロ兄弟のリレーによる4連勝も達成。ダービー(5月26日・東京)では短期免許の関係から、再び弟が手綱を取る可能性が高いが「距離が延びても十分対応できる。クリスチャンが勝つことを願うよ」とミルコはエールを送った。

 「1番人気だったのでホッとしました」と胸をなで下ろしたのは田中剛師。クラシック初挑戦を一発で決めた。「一日一日、やるべきことをやってきたからプレッシャーはなかった。障害のように、一つ一つ跳んで行けば勝てるという思いが自分の中にあった」と現役時代、障害戦の名手として鳴らしたトレーナーらしい言葉を口にする。2冠へ向けても「直行?こういう経験は初めてで…何とも」とはにかんだ。

 02年に皐月賞、ダービーをともに除外となりゲートにも入れなかった父ローエングリンの無念を晴らし、94年の3冠馬ナリタブライアン以来となる朝日杯FS馬によるVを達成。G1初制覇は7番人気だったが、今回は1番人気での戴冠で、名実ともに世代No.1の実力を証明した。次の標的は5月の府中。堂々の主役として2冠獲りへ歩を進める。

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