【札幌記念】横山和、いざ腕試し

 「札幌記念・G2」(19日、札幌)

 ルーキーイヤーから注目を浴びていた名手の息子が、初の大舞台を迎える。横山和生騎手(19)=美浦・勢司=が、強豪集う伝統のG2戦に、9歳馬ネヴァブションで参戦する。自身にとって初めての重賞挑戦は、父・横山典との“父子競演”となった。16日の最終追い切りで好感触を得て、記念すべき一戦に臨む。

 父が見守るなか、札幌の本馬場(芝)を疾走した。ネヴァブションの持つもたれ癖に細心の注意を払いながら、横山和がエスコートすると、5F62秒0‐35秒8‐12秒6をマーク。「時計が少し速かったですかね」と苦笑いしたが、「先週函館で乗ったときはいまいちだった。きょうの方が何倍も雰囲気はいい」と上昇ぶりを口にした。

 5日に廣崎利洋オーナーと食事をした際、騎乗を打診された。「最初は冗談かと思った。お酒も入っていたから」。伝統のG2戦。頭は冷静でも、さすがに心は躍った。「ただ、もともと緊張はしないタイプなんです。一緒に乗る騎手、馬はすごい。雰囲気を感じてきたい」と目を輝かせる。

 “父と重賞で対決”‐。騒ぎ立てる周囲とは対照的に、当人に特別な意識はない。「普段、一緒にレースをしている。それが重賞になったというくらいで。ただ(父が)ダービー馬(ロジユニヴァース)でどういうレースをするのか見たい」。従来と変わらず、“勉強の場”と捉えている。

 追い切り後、ネヴァブションに騎乗経験を持つ父が10分ほどアドバイスを送った。今回に限らず、調整ルームやレース後にもレクチャーをしている。デビュー年の昨年が4勝、今年は既に7勝。「1年やっていれば、成長してくれないと困る」と言葉は厳しいが、行動には父としての優しさがにじみ出ている。

 「言うことが難しいけど、ありがたい。きれいな競馬をして、なおかつ結果が出せれば」と横山和。父の教えを胸に挑む力試しの舞台。きっと濃い経験になるはずだ。

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