「ＮＨＫマイルＣ・Ｇ１」（６日、東京）

　真価を発揮するときが来た。過去１０年で３勝、２着２回と連対率５割を誇る（７）枠(13)番を引き当てたオリービン。管理する橋口師も「大外や最内のように極端な枠でなければいいなと思っていた。縁起のいい枠だね」と穏やかな笑みを浮かべた。

　前走は枠に泣かされる格好になった。中山のマイル戦で不利とされる大外（８）枠(16)番からのスタート。出負けをする格好になったが、道中で徐々に進出すると、最後までしっかり伸びて４着まで押し上げた。「あとで見直したら、やっぱりコースロスが相当あったね」と悔しがる。それだけに、広い府中コースはプラスに働く。「東京という舞台は本来の実力を発揮できる」と反撃を誓った。

　０６年ロジックで制するなど、過去１０年で１勝、２着１回、３着１回、４着２回と好相性を誇るレース。「偶然だよ。秘けつなんてないよ」と一笑に付したが、通算８８４勝の名伯楽はＧ１奪取へ静かに闘志を燃やす。

　金曜の朝は栗東坂路で４Ｆ７０秒３‐５１秒８‐１７秒４。１完歩ごとに、感触を確認するように駆け上がった。「追い切りは理想的だったし、その後も変わりなくきている。状態は心配ない。あとは運。競馬は運を引き寄せたものが勝つんだ」。僚馬クラレントとともに、３歳マイル王を目指す。