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【宝塚記念】池江師「疑ってごめんなさい」

 宝塚記念を制したオルフェーヴル(右)。左は2着のルーラーシップ(撮影・片岡寛尚)
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 宝塚記念を制したオルフェーヴル(右)。左は2着のルーラーシップ(撮影・片岡寛尚)

 「宝塚記念・G1」(24日、阪神)

 “7割の出来”ながら見事に5冠を決めた。オルフェーヴルが、ファン投票1位&1番人気に応えて完勝。全兄ドリームジャーニーとの、兄弟春秋グランプリ制覇を成し遂げた。名誉をばん回するVで、池江師は改めて海外挑戦への意気込みをのぞかせた。2馬身差の2着に海外G1勝ち馬の意地を見せた2番人気のルーラーシップ、6番人気ショウナンマイティが3着に続いた。

 ほんの一瞬でも、勘ぐったことを許してほしい。ファン投票1位、そして1番人気の期待を背負ったオルフェーヴルが、荒れた直線の内めの馬場をものともせずに伸びた。現状で考えられる国内最強メンバーを、あっさりと打ち破って5冠を達成。「オルフェの絶対能力と勝負根性、謙一君の大胆な騎乗がかみ合った」と池江師は振り返る。09年の覇者で全兄のドリームジャーニーも管理。宝塚記念史上初、有馬記念に続く春秋グランプリ兄弟制覇とあって感慨はひとしおだ。「この馬は怪物。疑ってごめんなさい」と最敬礼した。

 決して完調ではなかった。春の連敗で負った心身のダメージはなかなか抜けず、最終追い切り後に下したトレーナーのジャッジは“7割の出来”。最大の苦難と直面していた。「トモの肉がまだまだ物足りなかったし、正直、厳しいと思った。半信半疑でしたね」。

 そんななか、現役最強馬はかすかな復調のサインを送り続けていた。決戦の2日前、金曜朝のことだ。「馬房の前に立ったとき、奥からこちらを威嚇するようなしぐさをしたんです」。レース直前も装鞍所やゲート裏でこの馬らしい、うるささは見せていた。それでも確信までは持てなかったが、期するものはあった。菊花賞で3冠を達成したときと同じイタリアのブランド「LUIGI BORRELLI(ルイジボレッリ)」のネクタイを締めて観戦した指揮官は「これも験担ぎでね」とポツリ。ファン投票1位の重みを背負って戦い、そして期待に応えることができた喜びをじっくりとかみしめた。

 改めて国内制圧を完了し、目指すは秋の凱旋門賞・仏G1(10月7日・仏ロンシャン)だ。参戦に向けての明言は避けたものの、遠ざかりかけたチャンスを再びたぐり寄せたことは間違いない。トレーナーはこう続けた。「昨年の出来に持っていければ、世界最高を狙える。勝算はありますよ」。胸の高鳴りは抑え切れない。大海へ、再び大きく舵(かじ)は切られた。

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