瑛都が20歳になったら一緒にお酒を飲みたい

 少し前になりますが、ドラマ「帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし」が全9話、無事に幕を閉じました。たくさんの応援をありがとうございました。

 この作品はネグレクトというシビアなテーマを描いていましたが、それを押しつけがましくなく伝えられたのはすごいことだと思う。携われたことを誇りに思いますし、スタッフさん、原作者の津村マミさん、監督さんやプロデューサー陣、共演者の皆さんには感謝しかありません。

 僕にとっては、第8話のラストシーンがハイライトのひとつでした。母親の死を知っても大人ぶって気丈に振る舞うコタローに、悲しみときちんと向き合うべきだと狩野が泣きながら訴える場面。その言葉に、コタローが初めて「ママ…」って子どもの素顔を取り戻して泣きじゃくるんですが、僕は台本で読んだ時から、涙が止まらなかった。このシーンにかける思いは半端なかったです。

 撮影では、スタッフさんたちからも一発で撮ってやるという熱意がひしひしと伝わってきて、天候もこの日がいいと選んでいだたいたり、全て整えて現場作りをしてくださいました。そんな環境の中、コタローと感情がぶつかり合い、芝居なんだけど、僕もところどころ冷静じゃなくなるっていうか、震えが来る瞬間がありました。

 一発で撮り終えたときは、肩の荷が降りましたね。もう思い残すことはないというところまでやり切りました。こんな気持ちになるのは初めてです。

 コタロー役の川原瑛都くん(9)とは、彼が大人になって、また一緒に仕事ができたら感慨深いもんがあるんやろなと思うし、そのためには僕も頑張らなあかんなと思ってる。でも、それを一番望んでるわけではないっていうか、ちょっとドライに聞こえるかもしれないけど、この先、瑛都が別の道を見つける可能性もあるし、若いからいろんな楽しみも見つけていくやろし。瑛都が20歳になって、一緒にお酒が飲めたら、それが一番うれしいなって思う。どんな話するんやろな…って。何か、お父さんみたいですかね(笑)

 朝ドラ「舞いあがれ!」から「コタロー」と、僕にとって忘れられない作品が続き、ほんまにいい経験をさせていただきました。演技のお仕事がひと段落し、今は読書をしたり、楽器の練習をしたり。8月の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」への出演も決まり、夏に向け、次なるステージへ全力投球したいと思っています。

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