宮尾登美子さん死去 88歳、老衰で

 「櫂」や「一絃の琴」「天璋院篤姫」など女性の一代記の第一人者で、女性の視点を生かした歴史小説でも知られる作家の宮尾登美子(みやお・とみこ)さんが昨年12月30日午後9時17分、老衰のため東京都狛江市の自宅で死去していたことが7日、分かった。88歳。高知市出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は次女環(たまき)さん。

 高坂高女(高知市)卒。結婚して満州に渡り、苦労を重ねた後、1946年に引き揚げた。保育士などをしながら文学を志し、62年に「連」で女流新人賞を受賞した。

 出世作は、芸妓娼妓(げいぎしょうぎ)紹介業を営む生家を描き、73年に太宰治賞を受賞した「櫂」。芸能や芸術に情熱を傾けた人を描く作品も多く、「一絃の琴」で79年に直木賞。女性画家の上村松園をモデルにした「序の舞」は83年に吉川英治文学賞。ほかに「松風の家」「きのね」「伽羅(きゃら)の香」など。

 「鬼龍院花子の生涯」や「蔵」「陽暉楼」は映画化されてヒット。「宮尾本 平家物語」と「天璋院篤姫」は2005年と08年のNHK大河ドラマになり、89年紫綬褒章、98年に勲四等宝冠章。2009年文化功労者。

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