中村アン 誰だか分からなかったが理想 日テレ系「約束~16年目の真実~」で本格サスペンスドラマ初挑戦

 存在感を放つ女優として話題作への出演を重ねる中村アン(撮影・西岡正)
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 女優・中村アン(36)が、4月11日スタートの日本テレビ系主演ドラマ「約束~16年目の真実~」(木曜、後11・59)で、初の本格サスペンスドラマに挑戦する。20代の頃にバラエティー番組でブレークし、30代以降は演技のキャリアを積み重ねて次々と話題作に出演。存在感を放つ女優へと脱皮した中村が、今後の展望、さらには結婚観まで語り尽くした。

 「台本をいただくのが楽しみです。連載小説を読んでいるみたいで。不安に思うより新しい挑戦だなって思っています」

 初となる本格サスペンスに主演として挑む中村は、気負いのない穏やかな笑みを浮かべながら話した。3年前に髪を30センチ以上バッサリと切りショートカットとなったが、今ではすっかりおなじみになった。

 「もともと髪を切ろうと思ったのは、お芝居をするとき、髪のセットに気を取られたくなくて。短くして集中したいっていう部分が大きかったんです」

 あまり知られていないが、超がつくほどの体育会系気質。高校時代はチアリーディングで全日本選手権5位、大学では同10位に輝いた。一つのことに夢中で打ち込む性格は、芸能界入りした後も変わっていない。「がむしゃらにやってる時の方が悩みは少なかったかもしれないですね」と20代を振り返りながら自身を明かす。

 「パブリックイメージは『陽』ですが、意外と『陰』なので。知られていない部分、知ってほしい部分をどんどん出すことが自分のセカンドステージ、サードステージになるのかなとは思っています」

 近年は映画、ドラマを中心に話題作への出演が続いている。22年1~3月に放送されたTBS系日曜劇場「DCU~手錠を持ったダイバー~」では、阿部寛(59)ら大物俳優と共演。「アジアコンテンツアワード」の助演女優賞にノミネートされた。世間の評価が高まる中でも、冷静に足元を見つめながら、女優としての引き出しを模索する日々を過ごす。

 「日常の小さな喜怒哀楽、自分の感情を大事にするようになりました。例えば10代、20代のときのフラれた経験も、そのときは『フラれちゃった、悲しい』しか思えなかったんですが、そんな経験もなければ分からないことだし。『人を好きになる、嫌いになる、失ってしまった』。そんな自分の心を見過ごさないように、大切に」

 自分と向き合うことで気付いた、プライベートでの心境の変化もあった。

 「以前は仕事さえうまくいってればいいと思っていて、他のことには全く欲がなかったんです。でも、パッと立ち止まって自分のことを考えたときに『仕事だけが人生?』って。女性として子供を産んでみたい、人を育ててみたい。そういう関心も出てきて。そうすると結婚もしなきゃとか。人生をもっと豊かにする方法もあるし…とか、バランスの取れた人でありたいなとか。いろんなことに、やっと興味を持つようになったんです」

 20代はタレント・中村アンを印象づけようと日々を過ごした。役者としての研磨を続けるうちに全く違う理想像を描くようになった。

 「お芝居を見た人から『中村アンなんだ?誰だか分からなかった』って言ってもらいたいですね。違う誰かになりきれた瞬間でしょうし。今までいろんな山を登ってきたつもりではあるんですが、ここからが難しいんだと思っています」

 経験を積むことで見えてきた、新たな課題。「難しい」の言葉とは裏腹に、表情は挑戦する喜びと興奮にあふれていた。

 ◇日本テレビ系ドラマ「約束~16年目の真実~」(4月11日スタート。木曜、後11・59)

 中村が主演として挑む初の本格サスペンスで、女性刑事・桐生葵役を演じる。16年前に起きた猟奇的な連続殺人事件の犯人として逮捕された父の無実を証明するために真相を追う。バディを組むエリート刑事の香坂慧役にSUPER EIGHTの横山裕(42)。16年の時を隔て、故郷で発生した新たな事件を機に全貌に迫る。

 ◆中村アン(なかむら・あん)1987年9月17日生まれ。東京都出身。身長161センチ。スカウトを機にモデルとして芸能界入りし、近年は女優活動を本格化。TBS系ドラマ「グランメゾン東京」、同局系「DCU~手錠を持ったダイバー~」、映画「名も無き世界のエンドロール」、「マスカレード・ナイト」など話題作に立て続けに出演。昨年、初挑戦の舞台「笑ってもいい家」で主演を務めた。

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