「けもなれ」支える妥協なき獣たち ガッキー&龍平集うバーに記者が潜入!

 いよいよ12日に最終回を迎える日本テレビ系ドラマ「獣になれない私たち」(水曜、後10・00)。ダブル主演の新垣結衣(30)と松田龍平(35)ら主要キャストたちが劇中で行きつけにするクラフトビールバー「5tap」にデイリースポーツが潜入した。バーのマスター・タクラマカン斎藤役の松尾貴史(58)が出迎えてくれ、現場の雰囲気を証言。スタッフにも話を聞くと、タイトルとは真逆な“妥協なき獣”たちによる番組作りが見えてきた。

  ◇  ◇

 神奈川県内のスタジオに作られたバー「5tap」を訪れたのは11月末。ドラマでおなじみのクラフトビールの5つの蛇口とマスター役の松尾が出迎えてくれた。

 劇中では、新垣や松田ら主要キャストたちが集い、修羅場を繰り広げることもある行きつけの店。松尾は「みなさん、和やかで静か。新垣さんは当意即妙というか、ちょっとした言い回しが違っても、臨機応変に微調整されて完璧に成立させる。ただ舌を巻くという感じですね」と、いつもの落ち着いた口調で現場の雰囲気を明かしてくれた。

 バーを見渡すと、ジャズミュージシャンの写真や人形が多く配置されている一方で「和」や「中東」の小物が点在。装飾の寺原吾一氏によると、演出の水田伸生監督(60)が提案した「和」のコンセプトに中東の雰囲気を混ぜ「マスターが世界中を旅しているような雰囲気を形にしていった」という。

 テレビに映らないようなところまで設定が行き届いており、美術デザインの内田哲也氏によると、バーの石畳は本物。通常のドラマでは予算の兼ね合いからフェイクで作ることも多いが、「本物を敷くことで役者さんの歩き心地も違う。実在感が出ることで演技も変わってくると思う」と細部までこだわった。

 店の顔であるクラフトビールは、最も大変だった美術の1つ。温度設定や管理が難しく、寺原氏は「ちゃんと冷えていないと泡だらけになる。最初は蛇口をひねっても泡しか出なかった」。数日がかりで調整し、問題なく出るようになったのは撮影初日前夜だったという。ビールの銘柄は、脚本家の野木亜紀子氏が一覧表にして指定。季節限定などの細かい設定があるのもマニア心をくすぐる。

 野木氏は主要キャスト1人1人にも詳細な設定を作り込んでおり、プロデューサーの松本京子氏によると「どこで生まれ、どこで幼少期を過ごし、学生時代にこんな出来事があって、こういう会社に入った。兄弟との関係はこうで…と細かいところまで書かれた紙を役者さんに渡している」。役者は自分のバックボーンを知った上で深みのある芝居ができるというわけだ。

 「このチームはプロ意識の高い人たちの集まりだと思います」と松本氏。役者、美術、脚本…。妥協を知らない“獣”たちが、クラフトビールのように職人技でドラマを作りあげている。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス