初代ゴジラ死す…スーツアクター中島春雄さん、海外でも「ミスターゴジラ」

 映画「ゴジラ」シリーズで、第1作から12作品で怪獣ゴジラを着ぐるみの中に入って演じたスーツアクターの中島春雄(なかじま・はるお)さんが7日午後3時6分、肺炎のため死去した。88歳。山形県出身。葬儀・告別式は近親者で行う。喪主は長女園恵(そのえ)さん。

 1954年の本多猪四郎監督の大ヒット映画「ゴジラ」で初代ゴジラを演じ、日本の特撮を代表する怪獣の演技でスーツアクターの草分けとなった。同作では、先輩俳優と交代で演じる予定になっていたが、あまりの重量に先輩がダウン。実質的に中島さんが1人で演じ切った。続いて「ゴジラの逆襲」や「キングコング対ゴジラ」などにも出演。海外でも「ミスターゴジラ」と呼ばれるまでの“当たり役”となった。

 中島さんは「空の大怪獣ラドン」や「ウルトラQ」や「ウルトラマン」などの特撮の映画、テレビ番組に多く出演した。また俳優としても黒澤明監督の「七人の侍」(1954年)で野武士役、「隠し砦の三悪人」(58年)で秋月の雑兵を演じるなど、多数の名作に出演した。

 第一線を退いた後も、ゴジラを演じた俳優として海外でも知名度は高く、米ロサンゼルス市から栄誉賞を受けた。2012年には出身地の山形県酒田市からも酒田ふるさと栄誉賞を受賞した。

 中島さんの訃報は米メディア「Vice」などでも「ゴジラに成功をもたらした初代の俳優が死去した」と報じられた。

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