藤村俊二さん逝く 82歳、心不全 親族で密葬済ます

 ひょうひょうとした雰囲気で“おヒョイさん”の愛称でも親しまれた俳優の藤村俊二さんが、1月25日に心筋梗塞による心不全のため、静岡県内の病院で亡くなっていたことが1日、分かった。82歳だった。この日、密葬が営まれ、夜に藤村さんの所属事務所代表で長男の亜実さんが都内で会見した。藤村さんは2015年12月に、体調不良のためナレーションを務めていた日本テレビ「ぶらり途中下車の旅」を降板し、その後は芸能界を引退状態だった。

 俳優、ナレーター、バラエティータレントなどマルチな才能を発揮し、親しまれた“おヒョイさん”が世を去った。藤村さんは入院先の静岡・御殿場市内の病院で亡くなった。最後は苦しむ様子もなく穏やかに息を引き取ったという。

 会見した亜実さんによると、藤村さんは15年10月に小脳出血で倒れ、リハビリを続けていた。しかし、しっかりと仕事を続けることができないと判断し、同年12月に「ぶらり-」のナレーションを降板した。

 その後復帰を目指して療養を続け、16年4月に静岡・御殿場の病院に転院。歩くなどの筋力ではなく、ものを食べるためのリハビリを続けていた。しかし、16年夏ごろから肺炎を発症するなど徐々に体調が悪化。39度の高熱が出ることもあったという。今年に入っても回復せず、1月25日に亜実さんにみとられながら静かに亡くなった。1日に密葬が営まれ、親族ら約30人が参列したという。

 藤村さんの人生は病気との闘いの連続だった。1980年代後半に肺気胸で手術を受け、肺を切除。90年には健康診断で胃がんが発見され、胃の3分の2を切除した。さらに98年には腹部大動脈瘤(りゅう)で手術を受けるなど何度も大病を患った。

 しかし、芸能人として苦しむ様子を表に出すのを良しとせず、公表は極力避けていた。胃がんの公表も手術を受けてから6年後だった。プライベートでは、10年の閉店まで長年、東京・南青山で落ち着いた雰囲気のワインバー「O’hyoi’s」を経営。多くの芸能人に憩いの場を提供していた。

 ダンディーで、明るい人柄が愛された藤村さん。亜実さんによると、残された手書きメモに「この世でいちばん愉快なことは、何かを持っていることではなく、何かを経験できる瞬間です」とあったという。“しゃれた大人”の代表格だった。

 お別れの会にあたる「献花の会」は2月14日正午から、東京都渋谷区神宮前6の25の12、慈雲山長泉寺で催される。

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