NHK籾井会長 ”お役ご免” 次期会長に上田氏選出

 来年1月24日に任期満了を迎えるNHK・籾井勝人会長(73)の後任にNHK経営委員の上田良一氏(67)が決まり6日、都内で会見した。経営委員からの選出は異例。次期会長を巡っては、任命権を持つ経営委員会内で籾井会長の手腕を疑問視する声が相次いでいた。この日の次期会長の指名部会で、籾井会長のほか各経営委員が推薦する会長候補を選考。常任経営委員で監査委員を務め、NHKの事業内容に詳しい上田氏が選出された。

 「職員をしっかりまとめ、一丸となったいい組織へ、リーダーシップを発揮してもらいたい」。石原進NHK経営委員長は、新会長の上田良一氏に期待した。選出にあたっても、会長の資格要件を満たすこと以外に「人望がある。内外の信頼。NHK会長として。リーダーシップをとるにふさわしい」などと“信頼”を強調した。

 籾井会長は、2014年1月の就任会見で「政府が右というものを左というわけにいかない」「(従軍慰安婦は)どこの国にもあった」など、公共放送のトップらしからぬ問題発言を連発、波紋を呼んできた。15年3月には、私用のハイヤーの代金を請求。その資質が問題視されてきた。

 その余波は大きく、就任から3年連続でNHK予算は国会で全会一致で承認されない事態に。今年11月には、籾井会長ら執行部提案の受信料値下げ案が経営委員会の反対で見送りとなるなど、内外の信頼は薄く体制維持は厳しい状況だった。

 経営委員会の次期会長指名部会でも、誤解を招く発言など、資質を問題視する声が上がり、最終的に他の候補者との選考で上田氏が選ばれた。

 籾井会長は今月1日の定例会見で、次々、挙がる後任の会長候補に「オレの名前はないの?」など自らジョークを飛ばしていた。大みそかで解散する国民的グループ・SMAPの紅白出場に「チャンスはある」と、最後の切り札としての直接出馬をあらためて示唆。会長職続投に前向きな様子だったが続投はかなわなかった。

 会見した上田氏は「信頼される会長としての役割を果たしたい。与えられた職責に対し、全力を尽くし誠実に取り組む」と信頼を口にした。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス