福田こうへい 宮城で復興祈念の無料ライブ…岩手出身

 歌手の福田こうへい(40)が3日、宮城県名取市の閖上地区など2カ所で、東日本大震災の被災地復興支援のための無料ライブを実施。閖上では、名物となっている朝市の会場に持ち込んだ大型トラックの荷台をステージにして、8月発売の新曲「北の出世船」など7曲を熱唱。集まった1500人のファンを沸かせた。

 隣県の岩手出身で、11年3月の東日本大震災では知人や親戚を亡くした。メジャーデビュー直後の13年から毎年、被災地を巡って歌で勇気を届けてきた。閖上は初訪問となった福田は、地震発生から5年半あまりを経て、いまだ復興の進まない街を目にし、「(岩手の)陸前高田と同じだなと思いました。ため息しか出ないですよね…」と、同様に多くの住居や人命を失った故郷になぞらえ、悲しげにつぶやいた。

 活動当初は、「海」や「波」を連想させる曲や、祝いの曲は歌えなかったという。「1年ぐらい経ってから、被災者の方が『私たちはもう大丈夫だから、いろんな曲を歌って』と言って下さったので」と、鳥羽一郎の「兄弟船」など海にまつわる曲を5曲集めたメドレーを歌っている。

 「見に来て下さる方に、明るくなって帰っていただきたい。一瞬でも、嫌な場所であることを忘れて、笑顔になってもらえれば」と福田。この日もステージに使用したトラックが大きく揺れるほどの強風の中も、常に軽妙なトークと笑顔は欠かさなかった。歌の合間には「野球は大谷翔平、歌謡界は福田こうへい」と、同じ岩手の若きスターを引き合いに出してニヤリ。演歌と民謡の“二刀流”を今後も貫く思いを強調した。

 14年まで所属していた前事務所から、専属契約期間などをめぐって1億円の損害賠償を求められていたが、6月20日に和解が成立。係争中は新曲を出すことができず、「北の出世船」は2年5カ月ぶりのシングルとなった。それでも福田は「被災地の人たちに比べると、自分は楽なものだった。その間、皆さんが支えてくれた恩返しをしないと。自分は2年5カ月でしたけど、皆さんの場合はまだ家も建たない、生活もできてないわけですから」と真剣な表情で話した。

 「コンサートにも、誰も来てくれないんじゃないかと思ったんですけど、本当に多くの人に支えてもらった」と福田。「命を削ってでも、皆さんの心に歌を届けます」と誓い、「沿岸地域の被災者の方に応援されると、出て恩返しをしないといけないなという“使命感”も感じます」と、2年ぶり3回目のNHK紅白歌合戦への復帰を目指す思いも口にした。

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