蜷川さん追悼舞台 ロンドン&香港で 「世界のNINAGAWA」死してなお健在

 蜷川さんの遺影ともなった、15年の「NINAGAWA・マクベス」の稽古場で長女の実花さんが撮影した写真
 15年に上演された「NINAGAWA・マクベス」に主演した(左から)市村正親、田中裕子
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 5月12日に肺炎による多臓器不全のため80歳で死去した、演出家・蜷川幸雄さんの追悼公演「NINAGAWA・マクベス」が、来年6月から10月まで、さいたま、香港、英国・ロンドン、同・プリマスの4都市で上演されることが6日、わかった。日本の演出家の追悼公演が海外で行われるのは極めて異例で、改めて蜷川さんの世界的功績を証明する舞台となる。

 “世界のNINAGAWA”の名作が、死してなお駆け巡る。急逝を世界中の演劇関係者に悼まれた蜷川さん。その名を知らしめる大きなきっかけとなった「NINAGAWA・マクベス」が追悼公演として行われる。

 ロンドン&プリマス公演は、85年に同作が海外初上演されて以来の付き合いという英国のプロデューサー、セルマ・ホルト氏のオファー。ホルト氏は昨年、日本で17年ぶりに再演された同作を観劇し「自分と蜷川にとって最後の仕事になるかもしれない」と現地公演を依頼した。

 蜷川さんにとっても、シェークスピアの本場ロンドンは特別な街。「ロンドンには絶対行くよ!」と強い意欲を示していたという。志半ばで帰らぬ人となったが、遺志を尊重して英公演が決定した。

 香港も思い出の地だ。14年秋、公演中に香港で倒れ、セスナ機で緊急帰国した際、現地の関係者から世話になったという感謝の念を持ち続けており、「そのご恩返しをしたい」との思いから実現に至った。

 公演は一周忌を終えた来年6月に香港で上演。7月にさいたま市の「彩の国さいたま芸術劇場 大ホール」、10月にロンドンとプリマスで行われる予定。

 主役のマクベスは俳優・市村正親(67)、夫人は女優・田中裕子(61)と昨年と同じキャストが起用される。市村は「一緒に行けないのは無念だけど、蜷川魂をこの胸に抱き、乗り込みたいと思っています」と意気込みを語った。

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