田母神被告「私は無罪」検察と全面対決

 2014年2月の東京都知事選に出馬し、運動員に報酬を提供したとして公選法違反(買収)の罪に問われた元航空幕僚長、田母神俊雄被告(67)は27日、東京地裁(家令和典裁判長)の初公判で「お金を配ったことはなく、(元選対幹部らと)共謀もしていない」と無罪を主張した。一方で「迷惑を掛け、申し訳なく、道義的責任は十分に感じている」と述べた。

 「私は無罪です」。裁判長をじっと見つめ、潔白を訴えた。捜査段階から否認を続けてきた航空自衛隊の元トップは、初公判でも検察側と全面対決する姿勢を見せた。

 午前10時半、紺のスーツに白いシャツ姿の田母神被告は法廷に入った。証言台の前に立ち、裁判長から職業を問われると「軍事評論家です」と答え、「公正な裁きをお願いします」と訴えた。その後、弁護人の前の椅子に腰掛けた被告は冒頭陳述を読み上げた検察官を見据え、表情を変えることはなかった。

 検察側は冒頭陳述で、全国の支持者から集めた選挙資金が数千万円余ったため、島本被告が運動員らへの報酬提供を発案したと指摘。「田母神被告はこれを了承し、報酬の増額や、応援演説をした自分の友人らにも現金を渡すよう指示した」と述べた。起訴状では、田母神被告は鈴木被告らと共謀し、都知事選後の14年3~5月、選挙事務を統括した報酬として島本被告に200万円を渡したほか、運動員5人に計280万円を違法に支払ったとしている。

 閉廷後、田母神被告は傍聴席を向いて一礼。知人とみられる男性と視線を合わせた際は表情をやや和らげた。現在も勾留が続いており、拘置所職員に付き添われて法廷を出た。

 田母神被告は核武装を訴えるなど過激発言で注目を集めた。4月14日の逮捕直前にはツイッターに「国家権力にはかないません」とつづった。田母神被告は航空幕僚長だった08年、歴史認識を巡る懸賞論文の内容が問題視され更迭された。定年退職後、都知事選に出馬し約61万票を獲得したが4位で落選した。

 この事件では、陣営の元選対事務局長島本順光被告(69)や、元会計責任者鈴木新被告(58)が同罪で起訴され、運動員6人も被買収の罪で起訴された。

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