新国立“A”やん、B案と8点差接

新国立競技場の新たな完成イメージの前で握手する建築家の隈研吾氏(右)とJSCの大東和美理事長=東京都港区
新国立競技場の新たな建設計画に採用されたA案のイメージ図(技術提案書よりJSC提供)
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 2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアム、新国立競技場の新たな建設計画を担う設計・施工業者の選定で、政府は22日、関係閣僚会議を開き、応募2案から大成建設などと建築家の隈研吾氏が手掛けたA案の採用を決めた。日本の伝統建築に用いられる「垂木」を想起させるひさしが特徴で、日本スポーツ振興センター(JSC)の7人の審査委員が19日に実施した採点で、A案は980点満点で610点、B案は602点と8点差だった。

 法隆寺五重塔など日本の伝統建築に用いられた「垂木」を想起させるひさしと、柱が連続する外観のデザインが特徴的なA案は「広く市民に開かれた木と緑のスタジアム」をうたう。

 B案と比べて高さは約5メートル低く、明治神宮外苑地区の景観との調和を重視した。屋根は木材と鉄骨とのハイブリッドで、木の持つ温かな質感を生かし「日本らしさ」を演出した。植栽や自然風を利用した暑さ対策のほか、雨水や地下水の活用、太陽光発電など「環境共生型スタジアム」もキーワードに挙げた。観客席はすり鉢状の3層スタンドで、臨場感と安全性の両立を図った。

 設計を手がけた隈氏は都内の事務所で「選手や皆さんの意見を聞いて、みんなのスタジアムにしたい」と語り、大成建設は「極めて重要な国家プロジェクトの優先交渉権者に選定されたことは光栄の至り」とのコメントを発表した。

 完成時期は国際オリンピック委員会(IOC)が求める20年1月より早い19年11月で、総工費は約1490億円。総工費が2651億円に膨れあがったザハ・ハディド氏の旧デザインが7月に白紙撤回される混乱を経て、「大会のシンボル」の建設計画がようやく決まった。

 今後、新国立競技場は16年12月に着工し、19年11月末に完成する予定。大会運営手順の確認を目的に実施されるテスト大会を経て20年7月24日に東京五輪が開幕、8月25日にはパラリンピックが始まる。

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