大泉逸郎「震災忘れず元気になって」
歌手・大泉逸郎(73)が22日、埼玉県加須市で「爺の海(じーじのうみ)」の発表会を行った。
東日本大震災で被災し集団避難した福島県双葉町と浪江町が舞台の作品。双葉町から避難して同市で暮らす渡部晃氏が「歌で故郷の景色を残し、同じ被災した方の希望になれば」と作詞。大泉が作曲して歌を吹き込み完成させた。
当初、発売予定はなかったが、被災者の間でジワジワと浸透。今年1月にNHKラジオの番組「被災地の声」でオンエアされると大きな反響を呼んだ。
大泉自身も福島県南相馬市にある伸子夫人(71)の実家が、福島第1原発の12キロ圏内で住めない状況にあり、被災者の苦労を間近で知るだけに「この歌を聴いて元気になり、震災のことを忘れないためにも、より多くの方に聴いてもらいたい」と発売を決めた。
この日は同町出身の約100人を前に、新曲など7曲を熱唱し、地元山形で栽培したさくらんぼもプレゼント。今後は被災地などへ積極的に出向き「どんどん歌っていきたい」と話した。