半世紀にわたって幅広く活躍し、「キンキン」の愛称で親しまれたタレントで俳優の愛川欽也（あいかわ・きんや、本名・井川敏明＝いがわ・としあき）さんが１５日午前５時１１分、肺がんのため都内の自宅で死去していたことが１７日、分かった。８０歳。東京都出身。この日、都内で密葬が行われ、遺体は荼毘（だび）に付された。

　愛川さんが最後に報道陣の前に姿を見せたのは昨年１２月２日、菅原文太さんの訃報を受けて都内で会見した時だった。

　年齢なりの衰えは感じさせたものの、足取りはしっかりしていた。「トラック野郎」の相棒・菅原さんや監督の鈴木則文さんが鬼籍に入ったことに「だんだんいなくなる」と寂しそうだったが、口調にも返答にも異常はなく、会見も１時間以上に及ぶなど体調に問題はないようすだった。

　最後にメディアに登場したのは、フジテレビ系「ノンストップ！」の今年３月３０日放送分。うつみがＶＴＲ出演し、愛川さんの体調不安を否定した時だった。

　ＶＴＲ中、うつみに電話で夕食のメニューを相談された愛川さんは「まだ考えてないけど、考えるよ」「それ（餅入り雑炊）がいい」と応答。視聴者に「キンケロ・シアターにどうぞいらしてください。俺たちが作ったんだから」と呼び掛けた。ＶＴＲの収録は同２７日だったという。