米女優ローレン・バコールさん死去
映画「脱出」「三つ数えろ」などでヒロインを演じた、ハリウッド黄金期である1940年代を象徴する米女優、ローレン・バコールさんが12日、ニューヨーク市内の自宅で死去した。死因は脳卒中。89歳だった。夫だった米俳優ハンフリー・ボガートさん(1899~1957)の遺産管理関係者が米メディアに明らかにした。
バコールさんは1924年9月16日、ニューヨーク市でルーマニア系ユダヤ移民の家庭に生まれた。本名はベティ・バーカル。ブロードウェーの舞台女優を目指し、41年にモデルの仕事を始めた。
43年、巨匠ハワード・ホークス監督に見いだされ、44年に「脱出」でデビュー。「用があったら口笛を吹いて」は、映画史上の名ぜりふとして名高い。独特の上目遣いから“ザ・ルック(まなざし)”という愛称が付けられ、ハスキーボイスはバコールさんの代名詞となった。
この時、バコールさんは主演のボガートさんと恋に落ちる。ボガートさんは妻帯していたが45年に離婚。同年、2人は結婚した。
2人はハードボイルド映画の歴史的な名作「三つ数えろ」(46年)「潜行者」(47年)「キー・ラーゴ」(48年)で共演。私生活では長男スティーブさんと長女レスリーさんをもうけ、57年にボガートさんが食道がんで死去するまで、米国を代表するおしどり夫婦として知られた。
夫妻の親友で、国民的な歌手だった故フランク・シナトラさんとの婚約と破局を経て、61年にまたもや既婚者だった俳優の故ジェイソン・ロバーズさんと再婚。75、76年にアカデミー助演男優賞を連続受賞した名優ロバーズさんとは次男サムさんをもうけたが、69年に離婚した。
65~67年にはブロードウェーでロングランになった「サボテンの花」に主演。70年にはミュージカル「アプローズ」でトニー賞の主演女優賞を受賞し、81年にも「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」で同賞を受賞した。
96年の「マンハッタン・ラプソディ」でゴールデン・グローブ助演女優賞を受賞し、2005年には宮崎駿監督のアニメ映画「ハウルの動く城」の英語吹き替え版に声優で出演するなど近年も活躍。09年にはアカデミー名誉賞を受賞した。
また、79年に発表した自伝「私一人」が全米図書賞を受賞し、日本でもベストセラーとなるなど、文筆家としても高く評価された。
