渋谷スクランブル お祭り騒ぎ完封
日本がギリシャに引き分けた20日朝、東京・渋谷のスクランブル交差点では大きな混乱は起きなかった。試合終了の午前9時ごろが通勤時間帯と重なることから、警視庁は斜め横断を禁止するなどして対応。800人態勢で警備し、お祭り騒ぎを“完封”した。地球の裏側で、列島各地でサポーターが声援を送ったが、決勝トーナメント進出が遠のき、列島はため息に包まれた。
通勤中の中年男性が「なんだ、これ…?」と絶句した。午前9時ごろ。渋谷駅前の風景が、警官たちの“カテナチオ”で一変した。
試合終了前から、通常、縦横斜めすべての方向に進めるスクランブル交差点が斜め横断禁止に。バリケードを置き、いつもなら一斉に青となる信号を2カ所ずつに限定した。
日曜の昼間だった15日のコートジボワール戦後は、サポーターたちがスクランブル交差点を渡りながらハイタッチを繰り返し、転倒者が続出。混乱に乗じた痴漢まで現れるなどレッドカードものの大混乱となった。
同じ轍(てつ)を踏むまいと、横断歩道の真ん中にはテープを持った警官が並び、片側通行を徹底。対向者との接触を断つ“ハイタッチシフト”で、スポーツバーでの観戦を終え、顔を赤くしたサポーターが時折ハイタッチをしようとするものの、小規模のまま沈静化した。
道路上のスペースを固められ、お祭り騒ぎができなくなった一部サポーターたちは、駅の向かいにあるTSUTAYA前で「ニッポン!」コールを連呼。胴上げを行い、ワールドカップトロフィーのレプリカを掲げながら声を上げたが、10分ほどで警察に制止され、すごすごと解散した。
大きな混乱はなく、11時までを予定していた警備は20分ほど早く切り上げられた。
