門脇麦 ネジ3本くらい飛ばして濡れ場
人気戯曲を映像化した映画「愛の渦」(3月1日公開)でヒロインに抜てきされた、新進女優の門脇麦(21)がこのほど、デイリースポーツのインタビューに応じた。乱交パーティーでの一夜を描いた作品で体当たりの演技を披露した門脇。ブレーク必至の新鋭が撮影を振り返った。
「絡みのシーンの前日はすごく不安でした。ネジを3本くらい飛ばしてやった。(ぬれ場の)記憶がないんです。正気じゃなかったんだと思います」
思わず笑いながら門脇は振り返った。演劇ユニット「ポツドール」の代表作を映画化。乱交パーティーでの一夜を描いた作品は、123分の上映時間で着衣シーンが18分半という異色作。門脇は異常に性欲が強い女子大生という難役に挑んだ。
さぞ覚悟を決めてオーディションに臨んだのかと思いきや、そうではなかったという。
「台本を読ませていただいて『オーディションを受けなくてもいいから、面白いか、面白くないかだけでも教えて』と言われたんです。その流れでオーディションを受けたので、本当に軽い気持ちで行きました」
バスタオル1枚でのオーディション。泣き出す者、途中退席する者…。1人50分の地獄絵図の1次選考を終え、三浦大輔監督は「彼女と心中する」と門脇の起用を決めたという。すでに1人に絞られて迎えた2回目のオーディションでは、裸を見たいと言われ、脱いだ。三浦監督も「脱ぎます」と裸になった。そこで門脇は「この人について行こう」と腹をくくったという。
少女時代はバレリーナ志望。3歳からクラシックバレエを始め、プロになるのが夢だった。必死に打ち込んできたからこそ、中3のとき、壁にぶつかり、プロの道を諦めると「何をしたらいいのか分からなくなった」。
表現の場を失った門脇は、高校1年のときにギターを買い、自作の曲を自分だけのために歌い続けた。「中2病みたいな歌。誰にも聞かせられないです」。邦画洋画を問わず映画を見あさり、高校3年間で1000本を超える数を鑑賞した。そして、気付いた。
「自分は表現することが好きなんだと思ったんです。バレエのときもテクニックを磨くというより、演技がしたかったから」。自ら芸能事務所の面接を受けに行き、この世界に飛び込んだ。
名前は本名。実るとたれる稲とは違い、麦のように真っすぐ育ってほしい‐。両親の込めた思いそのままに、女優としての階段を真っすぐに上っている。