中村蒼、主演映画でネカフェ難民を熱演
主演映画「東京難民」の公開を22日に控える俳優の中村蒼(22)が、このほどデイリースポーツのインタビューに応じた。
平凡な大学生がネットカフェ難民となり、転落していく様を描いた同作。共演の大塚千弘(27)との、ぬれ場に初挑戦しているなど、新たな扉を開いた作品について語った。
どこにでもいる大学生が、転がり落ちるようにネットカフェ難民となり、日雇い労働、ホスト、果てはホームレス…。運命に翻弄(ほんろう)される主人公を演じた中村にとって最も高いハードルだったのがベッドシーンの撮影だった。
相手は、ホストとなった主人公にのめり込んでいく看護師役の大塚。台本を見た瞬間、中村は「挑戦だな」と感じたという。そして、「今の僕じゃなきゃ演じられないと思ったので、逃してはいけない」と覚悟した。
「そういうシーンも初めてですし、ダークな部分を描いている作品に出るのも初めて。また新たな自分を見つけられるかな、と。ありがたいことに大塚さんは年上だったので普段通り、サバサバした感じでやってくださって、それにリードされていった感じです」
ぬれ場の撮影前には映画「半落ち」「ツレがうつになりまして。」で知られる佐々部清監督が、ある歌を聞かせてくれたという。吉田拓郎の「制服」だった。「集団就職で都会に出てきた女性が男にだまされて…という歌で、きっと茜(大塚の役名)はこういう人だったんじゃないか、って。イメージを監督と共有できたので、助かりました」。
中学時代にジュノン・スーパーボーイ・コンテストのグランプリに輝き、芸能界入りした。肉体労働から夜の仕事まで身をささげる主人公と違い、バイトは高校2年のときにやった短期労働が最初で最後という。
「お小遣いが欲しいというより、やってみたかったんです。1日8000円。建物を壊してキレイにする仕事で、僕らは壊した重いものをもらって、運ぶ仕事でした。大変でしたけど、実際に働いて手渡しでお金をいただく喜びを感じられたのはよかったです」
最後に聞いてみた。俳優をやってなかったら、何になっていた?
「よく聞かれるんですけど思いつかなくて…。勉強とか苦手なので、会社に就職できたかどうか。この仕事をやってなかったらと思うと怖いです。ネットカフェ難民に?そうですね。なっていたかもしれないですね」
