【少年H】降旗監督特別インタビュー

 映画「少年H」が10日、公開される。反戦、家族愛、少年の自立…さまざまなテーマが含まれている同作で描きたかったのは何だったのか。3回連続で制作陣のインタビューを届ける。第1回は降旗康男監督(78)。降旗監督の心にいる“H”の姿に迫った。

 原作者の妹尾河童氏(83)より少し年下だが、同じように戦時中に少年時代を過ごした降旗監督の心には、国民学校4年生のとき(1944年)に先生から言われた言葉が今も鮮明に残っている。「日本は戦争に負けるから、少年兵の募集があっても手を挙げちゃいけない。無駄死にになるだけだ」。お国のため命をささげるのが当然だった時代、降旗少年の心にこの言葉は深く刻み込まれたという。

 感謝の気持ちは現在でも変わらない。「言ったことがばれれば特高や憲兵に捕まるということは分かっていたでしょうが、それでも賭けて言ってくれたんだなと思います」と振り返った。この先生の気持ちは、生き残ることの大切さを説いたHの父・盛夫(水谷)や久門教官(佐々木蔵之介)のキャラクターに受け継がれている。

 監督を引き受けたのも、この思い出を映画に生かせると考えたから。そして、決断を後押ししたのは実はCGの発達だった。撮影では実際にHの自宅セットを燃やすなどしたが、戦争被害の絶望感はCGによって強調された。「CGがなければ『少年H』の企画はなかった。ただ、これからは使わなくてもできる日常的な映画を撮りたいですけどね」。約70年持ち続けた思いを結実させたのは、これまで縁のなかった最新技術だった。

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