真木よう子、凱旋帰国で「誇らしい」
ロシアで開催された「第35回モスクワ国際映画祭」で審査員特別賞を受賞した映画「さよなら渓谷」(公開中)の主演女優・真木よう子(30)、共演の俳優・大西信満=しま(37)、大森立嗣(たつし)監督(42)が2日、現地から帰国し、都内で凱旋報告会見を行った。 授賞式で涙を見せていた真木は、その数日前にも原作者の作家・吉田修一氏(44)からの手紙に泣いてしまったことを告白。柄にもない涙に照れながらも「誇らしい」と胸を張った。
栄冠の前後には、2度のうれし涙があった。
6月29日に行われた授賞式で、真木は「良かったね、良かったね」と大森監督を祝福しながら、思わず泣いてしまった。その1週間前の初日舞台あいさつでは、吉田氏から「『真木よう子』という女優に出会えて良かった」と手紙を贈られ、感激しながらも「まだ結果を出してないから」と涙を我慢。しかしこの日、初日の後に自室で手紙を読みながら泣いていたことを告白した。
クールなキャラクターに似合わない涙は、魂を込めた演技の結果だった。昨夏から昨秋にかけての撮影では重い過去を背負った役に入り込み、固形物を食べると吐いてしまうほど。苦しみ抜いた役を演じ切ることができたのは共演者やスタッフの支えがあったからこそで「みんなと出会えたことがうれしかった。しかも賞を取れたので、もう『うれしい』だけでは言い表せないくらいです」と、皆で喜びを分かち合えたことに感謝した。
5月の「カンヌ国際映画祭」でも出演作「そして父になる」(9月28日公開)が審査員賞を獲得したが、連続受賞にも舞い上がることはない。「自信になったけど『おごるなよ』と。これからより一層気を引き締めたい」と自らを戒めた。
会見では喜ぶだけでなく、宣伝マンにも変身した。大森監督と共に映画の企画を立ち上げた大西が「制作サイドの思いも背負っていたので、ほっとしています」と本音を語ったのを受け、「誇らしい、自慢していい作品。見ないと損ですよ」と猛烈PR。賞という花が動員という実になることを期待していた。
