ボリショイのトップダンサーら拘束

 ロシアのボリショイ・バレエ団の芸術監督セルゲイ・フィーリン氏が1月に強酸液を掛けられ大けがをした事件で、捜査当局は5日、同バレエ団上級ソリスト(準トップダンサー)のパベル・ドミトリチェンコ氏を拘束した。同国主要メディアが報じた。捜査当局は同氏が実行犯を雇った可能性があるとみて調べている。世界屈指の名門を舞台にした一大スキャンダルが、急展開した。

 トーシューズに画びょうなんて甘い?古い少女漫画も真っ青のスキャンダルが、名門ボリショイを揺るがせている。

 フィーリン氏は1月17日、モスクワ中心部の自宅横の駐車場で顔に硫酸とみられる液体を掛けられて失明寸前となり、現在はドイツで治療中。出国前に「私を芸術監督の座から追い払うのが犯人の目的」と述べていた。

 捜査当局は5日、実行犯とされる男と、実行犯を現場に運んだとされる運転手も拘束し、家宅捜索するなど事件は急展開。ドミトリチェンコ氏は6日、地元テレビのインタビューで「私が襲撃を計画した」と明言した。当局にも同様の供述をしているという。モスクワの裁判所は7日、3人の逮捕を認める見通し。

 一方ロシアのメディアは、フィーリン氏とドミトリチェンコ氏の間で、ドミトリチェンコ氏と親密な関係にあるバレリーナへの配役などをめぐり確執があったと報道。

 このバレリーナは2008年、国内のバレエコンテストで優勝後、フィーリン氏が当時芸術監督をしていたモスクワの別のバレエ団に招かれ、いったんは入団を確約したが最終的にこれを蹴り、ボリショイに入団。フィーリン氏のライバルのトップダンサー、ニコライ・ツィスカリーゼ氏の教え子となった。

 バレリーナとドミトリチェンコ氏はその後、親密な関係に。

 しかし「彼女に蹴られた恨みを忘れていない」(同国ジャーナリスト)フィーリン氏が11年にボリショイの芸術監督に移った後、このバレリーナはツィスカリーゼ氏が主演する時以外は主立った役を与えられず、“飼い殺し”に近い状態になったという。

 ドミトリチェンコ氏はこのバレリーナの主張を積極的に代弁。昨年12月、このバレリーナを「白鳥の湖」の主役に抜てきする話が持ち上がったが、フィーリン氏が拒否し、両氏の間で争いになったとの未確認情報も報じられている。

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