藍超えた!鈴木愛が涙の大会最年少V

 「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯・最終日」(14日、兵庫・美奈木GC=パー72)

 首位から出たプロ2年目の鈴木愛(20)=フリー=が5バーディー、4ボギーの71で回り、通算5アンダーでツアー初優勝を果たした。国内メジャーで初優勝を飾ったのはツアー史上8人目。20歳128日での優勝は、06年に宮里藍(29)=サントリー=が記録した21歳83日を塗り替えて大会最年少優勝となった。1打差の2位は成田美寿々、穴井詩、イ・ナリ、申ジエの4人だった。

 女子プロNo.1を決める大舞台で、プロ2年目の20歳が世紀の大番狂わせを演じた。並み居るトッププロを抑えて1打差での逃げ切りV。「すごく長い1日でした。優勝の実感?まだ湧きません」。ニューヒロインは初々しい笑顔で答えた。

 初の最終日最終組を前に、緊張はピークに達していた。朝から食事がのどを通らず、ヨーグルトを無理やりお茶で流し込んで1番のティーグラウンドに立った。だが、そんな鈴木を勇気づけてくれたのが「愛ちゃ~ん、頑張れ~」というギャラリーの大声援だった。

 「すごくうれしくて、たくさん笑顔で回れました」。1番で2・5メートルを沈めてバーディー発進すると、続く2番では18メートルをねじ込んで連続バーディー。後続に一度も並ばれることなく首位をキープし、17番で残り90ヤードを3メートルにつけて、この日5つ目のバーディー。ここで勝利を確信した。

 中学2年の時(08年)にフランスで行われた「エビアンマスターズ・ジュニア」に出場した。その時に一緒に写真を撮ってもらったのが、この日最終組で一緒に回った上田桃子だった。前年に賞金女王に輝き、エビアンマスターズにも出場していた。「私もいつか桃子さんのようなすごいプロになりたいと思った」。記念の写真は今も徳島の実家に飾っている。そんな尊敬する先輩も寄せ付けない優勝に「夢のようです」と声を上ずらせた。

 鳥取・倉吉北高へゴルフ留学した際には、父・健司さん(46)は3代続いた材木店をたたんで一家で移住。父はアルバイト、母・美江さん(43)も学校の食堂に勤務し、娘の夢をサポートした。「少し恩返しができました」。娘は涙で両親に感謝の言葉を伝えた。

 夢は賞金女王。「まだ自分は、そこまでの実力には達していないので、これからもたくさん練習して、トッププロと呼ばれるような選手になりたい」。来季から3年のシード権を獲得。メジャーチャンピオンの称号を手にしても20歳の挑戦はまだ始まったばかりだ。

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