真央出遅れSP9位もフリーで反撃宣言

 「フィギュアスケート・世界選手権」(31日、ボストン)

 女子ショートプログラム(SP)が行われ、2季ぶりの出場となった浅田真央(25)=中京大=は65・87点で9位と大きく出遅れた。前回2位の宮原知子(18)=関大=が70・72点で6位、本郷理華(19)=邦和スポーツランド=は69・89点で7位につけた。地元米国のグレーシー・ゴールドが首位に立った。上位24選手によるフリーは2日(日本時間3日)に行われる。

 演技を終えた真央は一瞬ぎゅっと目を閉じ、首を少し傾けた。ジャンプは3度とも成功しなかった。冒頭のトリプルアクセルは回転不足で両手を氷に着き、中盤の連続3回転ジャンプは後半のループが2回転に。最後の3回転ループも着地で脚がぐらついて減点された。

 「回転がちょっと甘かったかなという感じがあったので、最初のアクセルは悔やまれるけど、そのほかは自分の滑りができたと思っている。きょうに関してはまあ、こんな感じかな」

 そう話す真央の口調は、意外なほど落ち着いていた。ステップやスピンをできる限り丁寧に演じたことで、前戦の全日本選手権の得点(62・03、国際連盟非公認)だけは超えた。

 2年ぶり4度目の戴冠はおろか、表彰台も遠い9位スタートとなった。だが、真央が悲観する雰囲気はない。初披露してまだ半年もたたないこのプログラムと、もう少し長く付き合いたい願望すらうかがえる。

 フリーへ向けては「いつもショートとそろえることできたりできなかったりしているので、フリーに期待したいなと思っている」と自身を鼓舞する姿勢を示した。実際、SP前の6分間練習で、最後に跳んだトリプルアクセルはほぼ完璧。技術は衰えておらず、試合で再現できるかどうかという問題だけだろう。

 昨年11月のグランプリシリーズ中国杯の優勝で幕を開けた競技復帰イヤーを、2日後のフリーでどう締めくくるのか。長年培ってきた技術の向上の跡を示しておきたいところだ。

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