稀勢の里、ド執念!478日ぶりの3連勝 連日のヒヤヒヤも「またあした集中して」

 「大相撲秋場所・3日目」(11日、両国国技館)

 左大胸筋負傷などで8場所連続休場から進退を懸ける横綱稀勢の里が平幕豊山を逆転の突き落としで下し、初日から3連勝に伸ばした。ピンチを耐えてしのいでド執念。3連勝は昨年夏場所5~8日目に4連勝して以来、478日ぶり。復活へまた一歩前進した。3横綱は安泰で鶴竜は勢を突き落とし、白鵬も魁聖を下手投げで退け、そろって3連勝。大関とりの関脇御嶽海は取り直しの末、小結玉鷲を下し全勝を守った。かど番の大関栃ノ心が小結貴景勝に引き落とされ、土が付いた。

 がむしゃらに戦う稀勢の里に相撲の神が味方している。突っ張りの豊山に押しで応戦。激しい突き合いに一歩も引かず左差し、右上手に組み止めた。

 絶対の必勝形で出たが寄り切れない。粘られて上手が切れると逆におっつけられ後退。反り返る土俵際、館内は悲鳴。耐えて右から放った捨て身の突き落としがさく裂。相手も自らも土俵下に転がり落ちた。

 軍配は自身に上がり、物言い。左足かかとは残っており、軍配通り。結びの一番、ハラハラ、ドキドキの稀勢の里劇場に館内は大拍手に包まれた。

 支度部屋、風呂上がり。質問にはしばらく「フー」、「うーん」とうなるばかり。興奮の冷めた後、「攻める意識?それが良かった」とポツリ。初顔の豊山への意識には「立ち合い、しっかり集中してやること。あとはしっかり集中してやるという気持ちでやった」と何度も集中の2文字を口にした。初顔は得意にしており、幕内では40勝4敗とした。

 連日のヒヤヒヤ星をもぎ取って478日ぶり3連勝。7場所連続全休から復帰した場所で12勝を挙げた元横綱の貴乃花親方は「相撲人生を懸けていることがお客さんにも伝わる。表情にも見える。お客さんも自分の人生を投影しているところがある。ただの声援ではない。私の時も復帰した場所は特にそうだった。それが支えになる」と力を込めた。

 3横綱全員が初日から3連勝は14年秋場所(白鵬、日馬富士、鶴竜)以来4年ぶり。横綱が揺るがねば場所は引き締まる。「またあした集中して取りたい」。緊張感漂う稀勢の里が場所を引っ張っている。

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