大鵬の孫、納谷幸之介「付け出し」獲得ならず 初場所で大相撲入り

予選2回戦 日本大・廣尾達成(左)土俵際まで押し込む埼玉栄・納谷幸之介=両国国技館(撮影・中田匡峻)
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 「全日本相撲選手権」(3日、両国国技館)

 大相撲元横綱の故大鵬の孫で元関脇貴闘力の三男の納谷幸之介(17)=埼玉栄高3年=は予選で1勝2敗に終わり、40人で争われる決勝トーナメント進出はならなかった。

 身長190センチ、体重160キロという祖父と父から受け継いだ恵まれた体格の持ち主。大相撲の大嶽部屋に入門し、11月の九州場所で初土俵を踏む予定だったが、10月の愛媛国体で優勝したことで今大会の出場権を得たため、初土俵を遅らせた。

 優勝すれば83年の故久嶋啓太以来2人目の高校生アマ横綱となり、幕下15枚目格付け出し資格、準々決勝進出でも三段目付け出し資格を得られたが、大学生と社会人の壁は厚かった。予選の1回戦は寺沢樹(東洋大)に押し出しで敗れたが、2回戦は廣尾達成(日大)を押し出して望みをつなぐ。そして3回戦は冨田元輝(和歌山県庁)に低く当たって頭をつけて前に出たものの、最後は引き落としで土俵にはわされた。

 予選突破が目標だったものの、ほろ苦い結果に終わり、「力を出し切れず、悔しい。もっと前に出られたらよかった。緊張はなかったですが、焦ったところがありました」と振り返った納谷。「やっぱり強かったというのが一番」と、大学生と社会人の力を痛感したが、初土俵を遅らせて挑んだ大会に「すごくいい経験になりました」と収穫を口にした。

 大横綱の祖父の相撲をビデオで見ては、すごいと感じるという。その血筋から、嫌でも注目されることにも「注目してもらえるのはありがたい。プレッシャーはあまり感じたりしない」と大物感を漂わせる。

 大相撲入りは「小さい頃からの夢」で、「幕内で活躍できる力士」が目標だ。現在の大相撲は横綱日馬富士の暴行問題などで大いに揺れているが、「自分には関係ないというか、まだ下なので、気にするものじゃないと思います」と動じていない。

 埼玉栄高相撲部の山田道紀監督は「まだまだ発展途上。化ける可能性は高い。努力できる精神力を持っている。誰よりも稽古しますから」と期待する。今後は新弟子検査を受け、来年1月の初場所で初土俵を踏む。

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