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【集中連載】横綱日馬富士誕生(中)

 力士らが手もみした麻の匂いをかぐ日馬富士(撮影・岡本好太郎)
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 “朝青龍2世”になるのでは‐。日馬富士の振る舞いや取り口、そして“兄貴”と慕う横綱元朝青龍との親密さは周知の事実。史上70人目、2007年名古屋場所の白鵬以来5年ぶりとなる新横綱誕生に期待が高まる一方、周囲からは品格を危ぐする声も上がっている。

 綱とりに失敗した昨年の秋場所前、一門の連合稽古が行われた。日馬富士は魁聖を稽古場の羽目板まで一方的に押し出したり、頬をはたいたりと粗暴に振る舞い、友綱親方(元関脇魁輝)から注意を受けた。

 全勝優勝し、横綱への足掛かりとなった今年7月の名古屋場所。初日の碧山戦で、押し出した後に相手の背中を突き飛ばした。ダメ押しの常習犯は、即座に土俵下の松ケ根審判長(元大関若嶋津)から注意され、異例の“公開説教”となった。

 今場所前には審判部長の鏡山親方(元関脇多賀竜)から「横綱は品格と力量が抜群であることが条件。品格がひどかったらね。厳しい見方も出る」と“警告”を受けた。

 幕内で2番目に軽い133キロ。体がないだけに闘志で補う。荒々しく張って、相手を“KO”することもある。

 元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏を「兄貴」と慕う。八角親方(元横綱北勝海)は「相撲が似ているのは朝青龍。動きが速く、まわしを取っても、突っ張っても勝負できる。一つ一つのレベルは劣るが、気性の激しさは一緒かな」と評する。

 一般人への暴行問題の責任を取って土俵を去った朝青龍との親密さを、懸念する声は多い。

 八角親方は「気力を取ったら牙を抜くのと同じ。オレも横綱に上がったころは品格がなかった。地位が人をつくる。直ってくるでしょう」とも加えた。「地位が人をつくる」‐北の湖理事長(元横綱)、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)も同じ意見だ。

 2場所連続全勝優勝を決めた秋場所千秋楽。取組後に来日中の朝青龍から祝福された。「あこがれの横綱なので」と感謝する一方で、横綱の理想像かと問われると「わたしはわたしだから」と答えた。“朝青龍2世”ではない‐土俵の内外で、そうありたい。

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