「大相撲春場所・１４日目」（２５日、エディオンアリーナ大阪）

　１３日目に左肩周辺を負傷しながら強行出場を決めた新横綱稀勢の里（３０）＝田子ノ浦＝が会場入りした。１４日目、横綱鶴竜（井筒）と対戦する。

　午後２時２５分、正面入り口前に姿を見せると詰めかけたファンから「頑張れー」、「行けるんかー」などの大コール。左腕を吊ることなく、胸を張り、のっしのっしと歩いた。

　稀勢の里は前日、日馬富士（伊勢ケ浜）に吹っ飛ばされ、土俵下に転落。連勝は１２で止まり横綱初黒星を喫した。土俵下では苦悶（くもん）の表情を浮かべ、左肩を吊って、病院に直行した。

　休場ピンチだったが、この日朝、師匠の田子ノ浦親方（元幕内隆の鶴）が「出ます。本人の強い意思がある。横綱と話して、本人は出ると言っている。体が動く。少しましにはなっていた。問題ない」と、出場することを明言した。

　大関照ノ富士（伊勢ケ浜）と１２勝１敗で並び、首位トップ。新横綱優勝をあきらめない。