「卓球・全日本選手権」（１６日、東京体育館）

　試合のなかった女子シングルスの伊藤美誠（１６）＝スターツ、平野美宇（１６）＝エリートアカデミー、早田ひな（１６）＝福岡・希望が丘高＝の高校生トリオが会見を行い、「目標は優勝」と声をそろえた。東京五輪に向けた代表レース元年。４連覇を目指すエース石川佳純（２３）＝全農＝の牙城を崩し、一気に世代交代の波を起こす。

　特に伊藤と平野は今大会、ジュニアの部やダブルスにも出場せず、打倒・石川に全力を傾ける。リオ五輪団体戦で共闘した伊藤は「本当に尊敬する先輩だけど、勝たないと優勝できない」と気合を入れた。前回、決勝で石川に敗れた平野は、昨年中国リーグに参戦するなど飛躍を遂げただけに「憧れの先輩だけど、いつかは超えないといけない」と雪辱を誓った。

　昨年１２月のワールドツアー・グランドファイナル２１歳以下の部で優勝した早田は「同じ左利きなので、昔からプレーを見て参考にしてきた」と石川への憧れを口にしたが、「勝たないと本物になれない。勝って優勝したい」と力を込めた。

　組み合わせ上、３人とも石川とは逆のブロックのため、決勝での挑戦権を得るのは１人。平野は「小さい頃から切磋琢磨（せっさたくま）してきた。全日本でも競って、お互いにレベルアップしたい」と火花を散らした。

　一方でエースはマイペースを崩さない。石川は「（若手は）伸び盛りで刺激になるけど、自分の卓球をできれば結果は出る」と自信をのぞかせ、「１年の初めに日本一になると勢いがつくので、全力を出したい」と４連覇を誓った。