羽生首位発進 SP今季世界最高103・89点にも悔しさ「もうちょっと出せる」

 「フィギュアスケート・NHK杯」(25日、真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)

 男子ショートプログラム(SP)は、羽生結弦(21)=ANA=が今季世界最高の103・89点で首位に立った。2位に15点以上の大差をつけ、26日のフリーで3位以内に入れば、4連覇がかかるGPファイナル(12月9日開幕、マルセイユ)進出が決まる。田中刑事(倉敷芸術科学大)は3位で、日野龍樹(中京大)は9位。女子SPは昨年優勝の宮原知子(18)=関大=が64・20点で3位につけた。アンナ・ポゴリラヤ(ロシア)が71・56点で首位に立った。樋口新葉(東京・日本橋女学館高)は5位、松田悠良(愛知・中京大中京高)は6位。

 氷上に舞い降りたのは、羽生という名のプリンスだった。ギターの高らかな音色が会場を包み、大歓声に飲み込まれてフィニッシュ。舌を出し、右手の人さし指と親指で“もうちょっと”のポーズをした。

 それでも、金メダルを手にしたソチ五輪を上回る自己4番目の高得点。今季の世界最高を確認すると、何度もうなずいた。点数については「もうちょっと出せる」と満足していないものの、一方で「成長できた部分もあった」と充実感も得た。

 今季は思うような演技ができず、もがいてきた。2位となった第2戦スケートカナダはSP4位と出遅れた。「悪いイメージ」を払拭(ふっしょく)するために、白が基調だった衣装を、プリンスのイメージカラーも意識し、淡い紫に変えた。

 冒頭の4回転ループは着氷が乱れたものの、続く4回転サルコー-3回転トーループの連続ジャンプに今季初成功。演技後半のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)はGOE(出来栄え点)満点の3点をたたき出した。

 「緊張はあったけど、やるべきことはやってきた。プレッシャーよりも悔しさやふがいなさの方があったので、練習も身が入ったし、悔しさを爆発させられた」

 昨年のNHK杯で世界最高を更新。それを足がかりに数々の記録を塗り替えた。「フリーにつながる演技ができた。たくさんのジャンプ一つ一つを決めつつ、すべてで一つのプログラムとして見えてくるような演技がしたい」。見据えるのははるか先。歴史を築いてきた羽生が、新たな伝説を刻もうとしている。

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