北島康介 森光子さんの一言で北京五輪後も現役 「続けてね」との激励に

 「森光子の奨励賞」贈賞式が、2012年に92歳で亡くなった女優の故森光子さんの命日である10日、都内で行われ、森さんの無二の親友で女優の黒柳徹子がプレゼンターを務めた。今回は同賞を俳優・市村正親と、競泳の五輪金メダリスト、北島康介氏が受賞した。

 黒柳はスーツ姿で登壇した北島氏を見て、「お洋服を初めて見たわ。いつも裸のとこばかり」と式場の雰囲気をリラックスさせると、表彰盾にも記してある、「ご実家のおいしいメンチカツサンドを放浪記の楽屋に届けてくださった」というエピソードを紹介した。

 北島は受賞のあいさつで、都内で精肉業を営む実家一同で森さんを応援し、メンチカツサンドを届けてきたことを振り返った。また、2009年4月に放浪記の稽古場を訪れた際には、北京五輪の翌年で現役を続けようか迷っていた自分へ、森さんから「続けてね」と激励を受け、その後も競技人生を続け、今年4月の現役引退に至ったことを明かした。そして、今回の受賞に「森さんが第2の人生を見守ってくれると思う」と神妙に話した。

 北島はまた、式後の囲みイベントで、俳優の市村が「森さんのようにミスサイゴンを90歳まで演じなければと思った」と語ったことを受け、「90歳まで選手は無理ですね」としながら、芸能界への転身については、「ないですね」と即答。それでも黒柳から「演出家の言うこと聞ける?」と問われ、「聞くと思います」と答えると、「芸能界もよろしいと思うわ」と続けられ、「ならないって言ってますよ。なんか(芸能界転身へ)持っていこうとしてません?」と返して、笑いを誘った。

 会見はいつのまにか黒柳のペースとなり、北島が今後について、「自分は競技者育成の指導者には向いてない。でも、水泳は生涯スポーツなので、100歳で泳ぐおばあちゃんもいる。今後は子どもたちの指導やいろんな道があると思う」と示すと、黒柳から「今度水中ヨガをお見せします。インドの方に教えてもらったが、ほかにだれもできない」と追い打ちを掛けられ、本業でのお株も奪われそうになった。

 「森光子の奨励賞」は今年が第2回。「放浪記」で同一演劇作品の単独主演記録を打ち立てた森さんと同様に、ひと筋の道を追求する人を奨励すべく2015年5月に創設され、昨年は歌舞伎俳優のの中村勘九郎、中村七之助が受賞。この日は2人がビデオクリップで登場し、開会宣言を行った。

 同賞事務局では今回の選考理由について、市村はミュージカル舞台「ミスサイゴン」に24年間エンジニア役で出演し、現在も帝国劇場で同役を演じていること。北島は4度オリンピックに出場し、アテネ、北京両五輪の競泳男子100および200メートル平泳ぎで計4個の金メダリストを獲得したことを挙げている。

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