18歳大坂なおみは準優勝「来年またね」 相手のアクシデントで経験値積む

第2セット、ウォズニアッキの強打に揺さぶられる大坂なおみ=有明コロシアム(撮影・棚橋慶太)
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 「女子テニス・東レ・パンパシフィック・オープン」(25日、有明コロシアム)

 シングルス決勝で世界ランク66位の18歳、大坂なおみは同28位で元世界ランク1位のキャロライン・ウォズニアッキ(26)=デンマーク=に5-7、3-6のストレートで敗れ、ツアー初優勝はならなかった。

 米国での生活が長い大坂は、準優勝の表彰式後にスタンドへ向かって「来年またね」とたどたどしい日本語であいさつし、少年少女たちのサインに応じながらコートを後にした。また、会見では試合中にウォズニアッキがメディカルタイムを取った際での自身の精神状態を反省。また自分も肩の腱を痛めていたことを明かした。

 初対戦となった2人の試合は第1セットの第7ゲームまで大坂が4-3とリードした後、ウォズニアッキが左太ももの治療のためのメディカルタイムアウトを要求し、いったん控室へ戻った。

 この間、大坂はコートサイドでやや時間をもてあまし気味なしぐさを見せた。会見では「確かにいろんなこと考えすぎたかな。対戦相手のメディカルタイムに慣れてない」と振り返った。

 ウォズニアッキが左太ももにサポーターバンドを巻いてコートに戻った後の第8ゲームでは、大坂がサービスゲームを30-0からブレークされて4-4とされた。「このセットを取れるかもというプレッシャーがあった。自分自身のゲームを続けていくこと、相手のアクシデントに反応するのではなく、落ち着き取り戻すことを学ぶ経験となった」と反省する場面となた。大坂は5-6で迎えた第12ゲームをウォズニアッキにブレークされ、第1セットを先取された。

 大坂はまた、試合中に昨年のこの時期に発症した肩の腱炎(けんえん)と同じ箇所に痛みを覚えていたことを明かした。そのためか、第2セットの第1ゲームでブレークチャンスを逃すと、第2、第4ゲームをともにラブゲームでブレークされた。

 7413人が入場した観客席は、このまま大坂の完敗かという沈滞した雰囲気となったが、大坂が1-5での第7ゲームをブレークすると、会場内からは「頑張れ!」という声援と大きな拍手が起こった。大坂はその後も粘りを見せたが、3-5からの第9ゲームをウォズニアッキにキープされてゲームセットとなった。

 祖国日本でツアー初優勝にあと一歩まで迫った。「コート上ではどのような気持ちも態度に出さないこと。相手に悟られないこと。そして、集中力を欠かさずアクティブに力強く向かうこと学んだ」と18歳は貴重な経験を実感した。有明のセンターコートについて「ノスタルジックな場所。日本のファンの声援を受け、ここでプレーすることはハッピーなこと」と話すと、報道陣やテレビカメラの放列で満杯状態の会見場内を見渡しながら、「蚊が飛んでるの?顔に何か感じるわ」とちゃめっ気たっぷりに話した。

 大坂は今回の準優勝で、自身が1月の全豪オープン時に目標と示した年内での世界ランク50位以内を確実にした。会見の最後では、「この1週間はとても楽しめた」と笑顔を交えながら、「結果にはもちろん満足しているが、ちょっとでもうまくなりたいし、上にいきたいという気持ちがあるので、ここから何ができるかが大事。もしかしたら来年優勝できるかもしれないので」と語って締めた。

 大坂は1997年10月16日、大阪市出身。父はハイチ出身の米国人で母は日本人。3歳で米国に移住し、父の影響でテニスを始め、2013年にプロ転向。今年の全豪オープンで四大大会の本戦に初出場し3回戦に進んだ。200キロを超えるサーブが魅力。180センチ、69キロ。

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