宇良スピード昇進 十両で「居反り」

 日本相撲協会は30日、エディオンアリーナ大阪で大相撲夏場所(5月8日初日、両国国技館)の番付編成会議を開き、関学大出身初の力士で、奇手「居反り」を得意とする宇良(23)=木瀬、佐藤(19)=貴乃花=の2人が新十両に昇進した。宇良は年6場所制となった1958年以降、史上4位の所要7場所(幕下付け出しを除く)でのスピード出世。大阪府吹田市内での会見では、十両での「居反り」さく裂を予告した。再十両は玉飛鳥(33)=片男波。

 宇良は、評判通りのスピード感あふれる多彩な技を武器に駆け上がってきた。だが、代名詞の居反りは隠してきた。関取での“解禁”を問われると、力強く答えた。

 「数ある技の一つ。狙って出す技じゃない。たまたま出なかっただけ。形になったらもちろん出す」

 十両でこそ伝家の宝刀は抜かれる。居反りは逆転技で、相手が大型化するほど繰り出すのは難しいと思われがちだ。しかし、会見に同席した木瀬親方(元幕内肥後ノ海)は言い切った。

 「宇良は強いやつとやると、もっと力が出る。攻める居反りができる。危険な技と思っているけど、攻めるから相手も自分もケガをしない。十両の方が中に入れる。その体勢になったらやる」

 宇良は高校入学時、身長が152センチしかなく「負け続けた相撲人生」と言う。大きい相手を倒すため、技を磨いた。居反りは苦し紛れではなく、完成された必殺技で「相手が大きい方が出しやすい」と予告。部屋での稽古では昨年5月から3度成功している。

 角界入りを表明した昨年3月の会見では「2年で関取」を掲げたが、地元大阪で目標を大きく上回るスピード出世を果たした。関取の喜びについて「一番は給料が出ること」と話し、会見に駆け付けた母・信子さんへの最高の親孝行になった。

 しこ名は、本人の意向で宇良のまま。「しこ名を変えて、誰やねん?ってなるのも困る。まずは十両に生き残る。挑戦者として思い切った相撲を取る」。期待をウラ切らないアクロバット関取が誕生した。

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